当院では、開院時からマイクロスコープを導入しています。以前、私は勤務医として別の医院に勤めていたのですが、そこにもマイクロスコープがあり、とくに根管治療の際には必要不可欠なものとされていたので、当院を開院する際にマイクロスコープを導入することに決めたのは、私にとってはごく自然なことでした。

マイクロスコープは根管治療や支台歯形成の際に使用しているほか、時にはむし歯など保険治療の範囲内でも、必要と判断したときには使うことがあります。
マイクロスコープを使うことで患者さんのお口の中がよく見えるようになるというメリットがあるのはもちろんのこと、画像や動画の撮影機能もあるので重宝しています。術後に、録画しておいた映像を患者さんにお見せしながら「この部分が悪くなっていたので、こういう治療をしました」と説明することができ、「わかりやすい」と喜んでいただけています。
また、術中も口腔内の様子をモニターに映しているため、今どんな治療をしているかを助手も同時に把握することができ、次に必要なものをあらかじめ用意してくれるようになるなど、利点は数多くあります。

マイクロスコープではかなり細かなものも含め、今まで見えていなかったものがはっきり見えるようになるため、ちょっとした不純物が気になって治療時間が伸びてしまう、ということもまれにありますが、やはり私は今後の歯科医療にはマイクロスコープは必要であると考えています。
「マイクロスコープを使いこなすには高い技術が必要なのでは？」と及び腰になられている先生もいらっしゃるかもしれませんが、実際はそのようなことはなく、基本的なことを学べばわりとすぐに臨床に落とし込めるものです。
より質の高い治療を患者さんに提供していきたいとお考えでしたら、ぜひマイクロスコープの導入を前向きにご検討されるのが良いのではないでしょうか。