編集部コラム | 部分入れ歯を目立たないようにしたいと思ったら

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前歯に入れ歯を入れている方や、口を開いた時に金属のワイヤー部分が見えてしまうのがコンプレックスになっている方の中には、「入れ歯を目立たなくしたい」と考える方も多いのではないでしょうか。

これから長期使用する入れ歯なら、できるだけ目立たないものを製作したいですよね。

見た目も大切ですが、違和感が少なく、快適に過ごせる入れ歯を選択したいものです。

今回の記事を参考にして、入れ歯選びに役立ててください。

 

目次

金属部分が目立ってしまうのが気になる
目立ちにくい部分入れ歯の例
ノンメタルクラスプデンチャーのメリット
ノンメタルクラスプデンチャーのデメリット
まとめ

 

金属部分が目立ってしまうのが気になる

 

保険の入れ歯とノンメタルクラスプデンチャーのイラスト画像部分入れ歯を入れる方は、見た目が気になることが多いです。
 
なぜなら、部分入れ歯を支えるためには、ご自身の歯に金属のワイヤーで「固定源」を作らなくてはならないからです。
 
金属のワイヤーがあることで、入れ歯のがたつきが抑えられ、取り外しを容易にすることも可能になっています。

しかし、このワイヤーは口を開けたときに目立つ場合があり、いかにも「入れ歯をしている」ことが分かってしまい、コンプレックスになりかねません。

固定式のブリッジやインプラントに比べると、保険適用内で製作する入れ歯は、悪目立ちしてしまうデメリットがあるのです。

 

目立ちにくい部分入れ歯の例

 

歯の模型ブリッジやインプラントではなく、部分入れ歯にする場合でも、目立ちにくくする方法はあります。
 
ノンメタルクラスプデンチャーと呼び、目立ってしまう金属のワイヤー部分を、目立たない材料で製作することが可能な入れ歯です。

ノンメタルクラスプデンチャーに使用する材料は、熱可逆性樹脂というピンク色のレジンで、保険適用で作られる入れ歯とは異なった性質を持ち、やわらかくて曲げても折れにくいという特徴があります。

弾力性があるため、ご自身の歯に設置する「支え」の部分にも使用でき、金属のワイヤーを使用しないで済ませることが可能です。

それにより、「目立ちにくく、噛みやすい」入れ歯を製作することができ、コンプレックスを解消することに繋がります。

ただし、残っている歯が少なかったり、歯ぐきに問題がある場合など、お口の中の状態によっては、ノンメタルクラスプデンチャーが適用できないこともありますので、歯科医院で一度相談してみましょう。

 

ノンメタルクラスプデンチャーのメリット

 

ノンメタルクラスプデンチャーの入れ歯には、下記のようなメリットがあります。

 

①金属部分がなく目立ちにくい

金属を使用しないので、歯ぐきの色のようなレジンで作られており、目立ちにくいです。

笑ったり、大きな口を開けても、入れ歯をしていることが他人から気づかれにくいのが嬉しいポイントです。

 

②歯ぐきの色の再現力が高い

歯ぐきの色に似たピンク色で、歯ぐきに通っている血管も再現しているため、より自然な入れ歯に仕上がります。

どこからが本物の歯ぐきなのか見分けが付きにくいので、パッと見て入れ歯をしているのが分かる方は少ないでしょう。

 

③金属アレルギーにならない

保険の入れ歯のワイヤー部分には、金銀パラジウム合金やコバルトクロム、ニッケルクロムなどの金属が使用されています。

金属アレルギーがある方は、使用することができません。

しかし、ノンメタルクラスプデンチャーであれば、金属アレルギーの方でも安心して使用可能です。

 

④他の歯や歯ぐきに負担が少ない

使用されている熱可逆性樹脂はやわらかいので、歯や歯ぐきへのダメージが少なくて済みます。

特に、金属のワイヤーがかかる部分である歯には過度な力がかかりやすく、歯の寿命を短くする可能性もあり、そのようなリスクを回避できるのは、歯にやさしい入れ歯ともいえます。

 

⑤やわらかくフィット感がある

樹脂の弾力性のおかげで、粘膜にぴったりフィットする感覚が得られます。

プラスチック感が少なく、より自然な噛み心地を手に入れられるでしょう。

 

⑥薄くて違和感が少ない

保険の入れ歯よりも薄くつくることが可能なので、異物感が少ないです。

薄いのにも関わらず弾力性があるため、割れにくい点もメリットです。

 

⑦人工歯を足す修理が容易

万が一、入れ歯を使用していて他の歯も失うことになった場合でも、入れ歯を1から作り直す必要はありません。

ノンメタルクラスプデンチャーであれば、人工歯の付け足しや修理が容易にできます。

 

肉と野菜の食事⑧会話や食事がしやすい
 
上顎の部分が特に薄く作られているため、舌が当たった時に発音しにくい、という違和感が軽減されます。
 
また、食事中も外れることが少なく、飲み込む際も異物感なく使用できます。

 

ノンメタルクラスプデンチャーのデメリット

 

①保険のレジンより劣化が早い

保険適用の入れ歯に使用されているレジンと異なる、特殊なレジンを使用しているため、劣化が早いのがデメリットです。

変形の少ないプラスチックに比べると、熱可逆性樹脂は大きく変形する素材のため、歯や歯ぐきにはやさしいのですが、その分予期せぬ形にも変形してしまうのです。

 

②早いと3~4年で作り変えが必要

耐久性が低いため、場合によっては3~4年程度での作り変えが必要となります。

金属を使用しないノンメタルクラスプデンチャーの場合は、歯を支える「顎の土台部分」への負担が大きくなるため、顎の骨の吸収が早くなります。

その結果、入れ歯が合わなくなり、作り変えをしなくてはならない場合もでてきます。

 

③クラスプの緩みの調整がしにくい

熱可逆性樹脂のため、固定源とする部分が変形しやすく、緩みも発生しやすくなります。

金属のワイヤーであれば、調整は容易にできますが、ノンメタルクラスプデンチャーは簡単には調整できないので、使い勝手が悪く感じることもあります。

 

④保険適用ではない

自由診療のため、入れ歯を作るのは高額になります。

ですが、自由診療の中では比較的安価な価格帯と思われます。

 

まとめ

 

部分入れ歯が目立ってしまうのが嫌な方や、コンプレックスに感じている保険の入れ歯を作り変えたい方は、ノンメタルクラスプデンチャーなどの入れ歯に変更することで、改善が期待できます。

しかし金額が高いからといって、必ずしも、見た目もよくて、しっかり噛める入れ歯になる、という訳ではありません。

それぞれのメリットとデメリットを理解したうえで、自分に合う入れ歯を見つけられるように、歯科医院でよく相談して決めましょう。

 

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