編集部コラム | 親知らずが痛い時の対処法!痛み止めや応急処置

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上もしくは下の一番奥にある歯に痛みがある場合、鏡があっても自分では見えにくいことが多く、どの歯が原因で痛いのか、どうしていいのかわからない、ということはありませんか?

ひょっとして親知らずに炎症が起きて、痛みを感じているのかもしれません。

親知らずの正式名称は第三大臼歯です。

たいていの場合、大臼歯は上下左右それぞれ2本ずつあり、前歯の方から第一大臼歯、第二大臼歯といいます。

そして3番目、前歯から数えて8番目にあたる歯が親知らずです。

親知らずあたりに痛みがあるとは一体どういう状況なのか、また痛みがある場合にはどうすればいいのかについて、すぐできる対処法と注意点を見ていきます。

 

目次

なぜ親知らずが痛むのか
痛み止めを服用する
親知らずで痛む部位を冷やす
うがいで口の中を清潔にする
親知らずが痛み出したら歯科医院へ

 

なぜ親知らずが痛むのか

 

親知らずのイラスト親知らずが痛い原因には、どのようなものがあるのでしょうか。
 
一番多い原因は、親知らずそのものが虫歯になっている場合です。

口の奥は歯ブラシが届きにくく見えにくいため、歯みがきがしにくくなります。

その結果、食べかすが親知らずの周囲に長期間溜まることから、虫歯になって痛いというものです。

同じ理由で、親知らず周囲の歯茎に食べかすが長く留まると、歯ぐきに炎症(歯肉炎)を起こし、痛みを感じます。

 

上あごの親知らずの痛みで多いのは、生える向きが少し外側(頰側)に傾いている場合です。

親知らずが頬にぶつかりやすくなるため、食事の際や寝ている間に誤って巻き込んで噛んでしまい、口内炎になるというものです。

 

これらとは別に、親知らずが歯ぐきの下方向へ斜め、もしくは真横に埋もれているために痛いことがあります。

歯科医院で顎全体のレントゲンを撮影した際に判明することがほとんどです。

真横に生えようとしているけれど、前の歯にぶつかっていて、もう生えてくることができない、という場合にも、手前の歯が押されたりするため、痛みを感じます。

 

痛み止めを服用する

 

痛み止めのイラスト一番よく用いられる方法は、市販されている痛み止めを内服することです。
 
一番即効性のある方法でしょう。

薬局ではロキソプロフェンなど、薬剤師さんがいないと販売できない第1類医薬品というものから、イブプロフェンのようにいつでも買える第2類医薬品というものがあります。

痛みの程度によりますが、まずは第2類医薬品の痛み止めを内服してみましょう。

それでも痛み止めの効果が弱い場合は、第1類医薬品を試してみてください。

 

いきなり第1類医薬品を選ばない理由は、第1類医薬品は第2類医薬品よりも蕁麻疹、アレルギー反応といった副作用の出る確率があがること、そして第2類医薬品の効果が弱かった時に、次に第1類医薬品を試すことができるという安心感もあります。

いずれにせよ、内服する薬はそれぞれの用法と用量を守りましょう。

正しい量を正しいタイミングで飲むことが大切なのは、胃の痛みなどの副作用のリスクを軽減するためでもあります。

 

親知らずで痛む部位を冷やす

 

タオルを頬に当てる女性痛みを感じる神経は、冷たさを感じる神経と同じ、もしくは近いことが多いと言われています。
 
痛みの刺激を弱くしたものが痒みです。

 

蚊に刺されて痒い時、冷やしたり、少し叩いて痛みを加えると、痒みがマスキングされて痒さが薄れた、という経験をお持ちかと思います。

熱感を抑えることで炎症の症状を少しでも抑えようとする際に、この、痛い場所を冷やすという方法を応用して、親知らずの痛みや炎症を和らげます。

しかし、冷やす際に保冷剤などを使うと、冷たい刺激が強すぎると感じるでしょう。

風邪の時におでこに貼る冷却シートや、濡れたタオルで熱を取る、という程度だと、しばらくの間は当てておくことができると思います。

 

炎症に見られる症状には、歯ぐきや顎の腫れ、痛み、発熱や熱感、口が開けにくいなどの機能障害などがありますが、保冷剤を当てておきたいくらいであれば、炎症がかなり強いと思われますので、夜遅くまで開いている歯科医院や、夜間救急外来を持つ医療機関の受診も検討してください。

 

うがいで口の中を清潔にする

 

親知らずが炎症を起こしてしまう原因の1つに、歯磨きでも取りきれないような場所に食べかすが滞留してしまうこと、があります。

これは、親知らずが横向きに生えていると、手前の歯との間に汚れがたまりやすい、という構造的な理由によります。

歯磨きの限界、とも言えるかもしれません。

 

親知らずの周囲が痛い時は、もうすでに口が開けにくくなっている(開口障害)状況であることが多く、歯ブラシを入れることも、より難しくなっているでしょう。

この場合、歯磨きは歯ブラシを入れられる範囲内で行ってください。

それと併用する形で、うがい薬を使ってみましょう。

 

水道水のうがいでも良いのですが、もし、痛み止めを購入するなどで、薬局に行くことが可能であれば、ポピドンヨード、もしくはアズレンスルホン酸のような殺菌・消毒成分を含むうがい薬を一緒に購入してください。

うがいにより、親知らずの周囲をより清潔に保つことができるでしょう。

 

親知らずが痛み出したら歯科医院へ

 

ここでは、親知らずが痛い場合のとりあえずの応急処置を列挙してみました。

痛みが長続きする場合には、炎症が拡大(増悪)していることも考えてください。

そうなると抗菌薬の内服ではなく、点滴での投与が必要だったり、切開して膿を出す処置が必要になることもあります。

 

親知らずの炎症は、こじらせるとすぐ喉の方に落ち込み、顎の下、舌の下のあたり、また頚部へと下りて行きます。

悠長に構えて、痛み止めを飲んだり冷やしたりして経過を見るのではなく、予定を調整して時間を作ってでも、かかりつけの歯科医院に早めに相談に行くことをおすすめします。

 

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