編集部コラム | 歯医者でクリーニングだけを受けられるのか?注意点とメリット

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ふだん、人と会う機会が少ない時は、あまり気にしていないけれども、外出する用事があったり、誰かと一緒に外食する際には口元が気になってしまう、という方は多いのではないでしょうか。

人と会うにあたり、歯の汚れは気になってしまいますよね。

いま、歯医者は「痛い時に治療するところ」から、「歯のクリーニングを受けるところ」へと、変化してきています。

 

目次

クリーニングだけを受けることはできる
クリーニングだけをお願いする場合の注意点
どんなことを行うのか
歯医者でクリーニングしてもらうメリット
まとめ

 

クリーニングだけを受けることはできる

 

きれいな歯茎と歯の断面のイラストまず、歯のクリーニングという言葉ですが、いわゆる「歯のお掃除」であって、歯の表面に付いた汚れなどを綺麗に落とすことを指します。
 
歯そのものを白くするホワイトニングも歯医者では行なっていますが、クリーニングはホワイトニングではありませんので、その点にはご注意ください。

歯の表面は、厚さ0.1~数μmの均一な膜で覆われています。

これは唾液に含まれる糖タンパク質を主成分としています。

このペリクルを足場にして、様々な汚れが表面に付着します。

 

歯のクリーニングでは、歯科医院専用の器材とデンタルフロス、歯磨材などを使用してこの汚れを除去していきます。

普段は見えにくいために、歯磨きがなかなか難しい前歯の裏側や歯と歯の間など、すみずみまで綺麗にしていきます。

 

クリーニングだけをお願いする場合の注意点

 

歯のクリーニングは歯の汚れを落としたらそれで終了、ではありません。

歯の汚れがあるため、その近くの歯肉は腫れて、歯肉炎や歯周病などの炎症を起こしていますし、歯周ポケットを形成していることもあります。

そのさらに深いところにある歯を支える骨(歯槽骨)も、影響を受けている可能性があります。

歯の汚れを落とす前と後で、これらの状況を確認する必要があり、歯の汚れを落とす前に、口全体の状況の確認を行います。

虫歯の有無、詰め物、かぶせ物の有無、歯の欠損している部位の確認、義歯(入れ歯)、ブリッジ、インプラントの入っている部位がどこかを記録します。

歯石の付着している状況、歯肉の発赤している部位があれば、それも記録します。

 

その後に、歯の周囲にある歯肉のポケットの深さを確認します。

この時、3mm以下であれば正常と判断されます。

4mmを超えると、歯肉炎の存在が疑われます。

同時に、歯肉からの出血の有無、歯の動揺なども評価して記録します。

ここまでを歯周基本検査といいます。

 

次にレントゲン撮影を行います。

口全体が映るパノラマX線検査(パントモ)では、あごの関節まで含めて広い範囲をざっと評価することができますが、細かい部分はデンタルエックス線検査を追加して、詳しく確認することもあります。

歯肉の状態と歯槽骨の状態の確認が終わると、歯の汚れを取っていきます。

この時、歯石が多量に付着していると、クリーニング処置にかなり時間がかかってしまいます。

 

長時間、口を開けていることは負担がかかるので、1回の処置で全ての汚れを取りきることができない場合は、数回に分けて取ることがありますので、そのつもりで予定を考えてください。

また、上記の内容は、歯肉炎や歯周病の治療として、保険診療の範囲で行われるものですので、使用できる器材や歯科材料には制約があります。

一方、自由診療にはなりますが、より多くの器材や歯科材料を使って歯のクリーニングを行うPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)もあります。

 

どんなことを行うのか

 

では、歯医者ではどのような流れでクリーニングが行われるのかを見ていきましょう。

最初に、歯科医師が問診をします。

今まで治療された、もしくは現在治療中の病気、内服薬の有無、アレルギーの有無などを確認します。

歯のクリーニングだけを希望するのか、他に気になることがあるか、などもこの時に確認します。

遠慮なく話しておきましょう。

 

まず、先ほど述べた歯周基本検査、レントゲン検査を行います。

歯周組織の状況を確認した後で、まず歯石の除去を行います。

この時にエアスケーラー、超音波スケーラーという器具で大まかに除去していきます。

知覚過敏のある方は、この時に痛みが出ることがありますので、あらかじめスタッフにその旨を伝えてください。

ハンドスケーラーでの歯石除去に切り替えてもらいましょう。

 

次に、エアスケーラー、超音波スケーラーでは除去しきれなかった歯石や汚れを、ハンドスケーラーで除去していきます。

歯と歯の間の取り残しなどもこの時に除去します。

それが終わると、専用の歯磨き剤とブラシを用いて、歯の表面についた細かな汚れを落とします。

最後に、デンタルフロスで歯と歯の間やブリッジの下などを綺麗にして終了です。

 

歯医者でクリーニングしてもらうメリット

 

歯医者でクリーニングを受けるメリットはたくさんあります。

まず日頃のご自身での歯磨きでは見えない部分の汚れについて、口の専門家が診て、専用の器具を駆使してクリーニングすることです。

次に、ただ歯の見た目が綺麗になるだけでなく、歯周病や歯肉炎など、歯肉に炎症があるかもチェックしています。

 

また、クリーニングすることで虫歯が見つかった場合、治療をお願いすることもできます。

このように、歯のクリーニングだけにとどまらないトータルケアができる、という点で、歯医者でのクリーニングをお勧めします。

 

まとめ

 

歯医者でクリーニングを受けることはメリットが多く、ぜひお勧めいたします。

ただ、保険診療として行う場合と、自由診療で行うクリーニングは内容が異なりますので、どのような違いがあるのか、事前に尋ねておくといいでしょう。

 

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