編集部コラム | 歯石ができやすい人の特徴まとめ!予防法もご紹介

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皆さんは普段、歯石の除去はどうしていますか?

外側からは見えない部分、特に歯と歯の間にできた歯石は、歯磨きでは充分に除去できず、デンタルフロスや爪楊枝を使っているのではないでしょうか。

また、いつも歯磨きしているのに、すぐに歯石ができてしまう、という方もいらっしゃるかもしれません。

鏡を見ても分からない場所に付着した歯石は、本当にやっかいです。

 

なぜ歯石はできてしまうのでしょうか?

また、その量の多い少ないは、何が違うのでしょうか。

今回は歯石の出来やすさについて解説します。

もし当てはまるところがあれば、参考にしてみてください。

 

目次

歯石ができてしまう仕組み
よく歯石が発生する場所
歯石ができやすい人の特徴とは
予防するためにできること
歯石の除去は歯科医院へ

 

歯石ができてしまう仕組み

 

歯石がついた歯のイラストまず、歯石とはどういうものでしょうか。
 
歯石ができる仕組みを説明していきます。

歯の表面は、ペリクルという透明な糖タンパク質でおおわれています。

このペリクルには、むし歯の原因菌が作る酸から歯を守る、という大切な役割がありますが、このペリクルを足場にして、むし歯の原因菌が長くその場所に留まります。

さらに、唾液成分を必要としている善玉菌、連鎖球菌などの細菌が歯の表面に定着し、食べかすを栄養として歯垢(プラーク)を形成します。

 

歯科医院を受診して歯の汚れを取ってもらうと、ペリクルごと一時的に除去されますが、唾液によって、また数時間で作られてしまいます。

プラークが長時間唾液にさらされると、唾液中に含まれるカルシウムなどのミネラル成分と結合して、だんだん石のように固くなっていきます。

その結果として出来たものが歯石です。

 

よく歯石が発生する場所

 

歯の模型のイラストでは、歯石はどこによく発生するのでしょうか。
 
ポイントは、プラークが形成されやすい場所、なおかつ唾液とよく触れあう場所です。

プラークが形成されやすいのは、歯と歯の間、そして上あごの大臼歯の外側、下あごの前歯の内側です。

この部分は、歯磨きの際に歯ブラシが入りにくく、直接見ることができない場所なので、磨き残しが多くなりがちです。

そしてもう1つの理由は、大きな唾液の出口が近くにあることです。

つまり、プラークが大量のカルシウム成分と、最も触れ合うことができる場所なのです。

上あごの大臼歯の外側、頰の粘膜には耳下腺という唾液腺からの唾液の出口があり、下あごの前歯の内側である舌の付け根には、顎下腺からの唾液の出口があるためです。

 

歯石ができやすい人の特徴とは

 

プラークが歯に付着した状態で長い間放置していると、唾液に含まれるカルシウムなどのミネラル成分によって石灰化し、石のように固くなります。

プラークになってからおよそ48時間で固く変化し、歯石になってしまいます。

プラークの状態であれば、ブラッシングやデンタルフロスを通すことで除去することができますが、石灰化して歯石になってしまった後では、固く歯にへばりついているため、歯磨きでは除去しにくくなってしまうでしょう。

 

これを考えると、歯石ができやすい人の特徴は、まず歯磨きの回数が少ないこと、そして歯磨きの際に磨き残しが多いこと、が挙げられます。

歯垢ができやすいだけでなく、歯石にもなりやすいと言えるでしょう。

さらに、口が乾きやすい方も歯石ができやすい傾向にあります。

唾液の水流には、汚れを洗い流してくれる働きもあり、磨き残しが多少あっても、唾液そのものが汚れを流してくれます。

しかし、口が乾いている方は唾液の量が少なく、磨き残しが洗い流されにくいため、結果として歯石が出来やすくなってしまうのです。

 

予防するためにできること

 

歯石が付着することは、どのようにしたら予防できるのでしょうか。

一番の基本は、歯の表面の汚れ・プラークを減らすこと、つまり磨き残しを減らすことです。

そのためには、毎日の歯磨きの回数や、1回あたりの時間を気にしてみてください。

もし回数が少ない、または1回あたりの歯磨きの時間が短すぎるなど、思い当たることがあるようでしたら、意識してしっかり磨くようにしましょう。

また、歯ブラシだけでなくデンタルフロスも併用すると、歯と歯の間の磨き残しを減らすことができます。

 

さらに意識していただきたいのは、歯磨きの仕方です。

歯ブラシのヘッドの大きさはどうでしょうか。

ヘッドが薄いタイプであれば、奥歯の外側にも入れやすく磨きやすいでしょう。

また、歯ブラシだけでなくデンタルフロスも併用すると、歯と歯の間の磨き残しを減らすことができます。

 

歯石の除去は歯科医院へ

 

歯磨きをした男性では、出来てしまった歯石はどうしたらいいのでしょうか?
 
歯石は誰でもできてしまうものです。

できやすい場所である上あごの大臼歯の外側や、下あごの前歯の内側はもちろんですが、歯石は口の中全体に付着します。

歯石の除去は歯科医院で歯科医師、歯科衛生士に行ってもらいましょう。

ただ歯石を取ってもらうだけではなく、定期的なチェックとして受診することをお勧めします。

 

歯科医院ではこれら歯石の除去をはじめ、歯肉の状態や歯周ポケットの有無の確認、むし歯の有無の確認など、口の中をトータルにチェックしてくれます。

磨き残しの多い場所や、歯石の付着しやすい場所も教えてくれますし、どのような点に注意して日々の歯磨きをすればいいのかについても説明してもらえると思います。

年に数回受診することで、口の中のトラブルが予防され、歯石を減らすことにも繋がるでしょう。

 

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