
マイクロスコープを使用した精密な治療へのこだわりと取り組み
マイクロスコープを初めて触ったのは、2008年または2009年ごろだったと思います。歯根端切除を行う際に、高い精度が必要であり、そのための適した機器を探していたときにマイクロスコープと出会いました。普段から高倍率の拡大鏡を使用していましたが、歯根端切除になると見えない箇所がありました。しかし、マイクロスコープを使用すれば、壁の中の汚れがどこにあるかが明確になり、治療に活用できることが分かりました。形成などの治療において微妙な箇所が、マイクロスコープを使えば見えるようになると考え、これが広範囲に使えるようになるだろうと予測し、早い段階からマイクロスコープの活用を開始しました。

大学時代には、自身でマイクロスコープを購入し、大学に設置して使用していました。当時、私のようにマイクロスコープを使用している人はほとんどおらず、口腔外科にもマイクロスコープがなかったため自ら購入しました。初めて見た瞬間から、とにかくマイクロスコープを使いたいと思っており、購入して自分のタイミングで使用できる環境を整えていました。最初は主に根管治療にマイクロスコープを使用していましたが、現在では基本的に全ての治療においてマイクロスコープを利用しています。カリエス治療はマイクロスコープがないと難しく、CRの際もマイクロスコープを使用しています。形成やペリオの治療にも常にマイクロスコープを活用しています。他の医師に教育する際にも、マイクロスコープを使用して手順を説明しています。
スタッフは最初、少し戸惑うこともありましたが、現在では慣れており、器具の増加などもあり治療がしやすくなりました。患者様は、当院がマイクロスコープを導入していることを理由に来院されていると考えていますし、口腔外科専門であることも一因でしょう。私は18年間、口腔外科を専門としてきたので、口腔外科において困難な症例を診断し、地域の方々にお役立ちできるよう努めています。
私よりもずっと治療がうまい医師も存在しますし、マイクロスコープを使用すべきでない場面もあることは認識していますが、広範囲にわたって活用することで応用が利きます。歯科治療は見えているつもりでも、実際は見えていないことが多いため、マイクロスコープを使ってしっかりと見極め、治療の一層の向上を図るべきだと考えています。と言うのも、日本の歯科治療の水準が昔からあまり向上していないと感じ、その向上を図ることが重要ですし、器具やツールはどんどん新しくなるので、良いものはどんどん取り入れて歯科医師は社会に貢献する仕事であるべきだと思っており、患者様が幸福になれるよう、厚い信頼を得られる歯科医師が増えること、治療の向上や新しい治療法が普及することが非常に重要だと考えています。患者様にとって当院がなくなった場合に不便と言われるような歯科医院になることを目指しています。
ドクター紹介
医療法人 井上歯科医院
川越歯科口腔外科クリニック
院長 井上 勝元

プロフィール
- 医療法人鉄蕉会亀田総合病院 歯科医師臨床研修医
- 明海大学歯学部病態診断治療学講座顎顔面外科学分野Ⅱ入局
- AHA BLSライセンス取得
- 日本救急医学会ICLSライセンス取得
- AHA BLSインストラクターライセンス取得
- 大学院修了(歯学博士)
- 小児口腔外科認定医取得
- 明海大学歯学部病態診断治療学講座顎顔面外科学分野Ⅱ助教就任
著書
- 「医療連携」に役立つ有病者歯科マニュアル
- 改訂版 迷ったときに見る口腔病変の診断ガイド
- 抜歯テクニックコンプリートガイド 安全にうまく抜歯するための様々なアプローチ
- 口腔外科学 第5版
所属学会
- 日本口腔外科学会
- 日本解剖学会
- 日本小児口腔外科学会
- 日本有病者歯科医療学会
- 日本歯科基礎医学学会
- 日本顕微鏡歯科学会
- 日本組織細胞科学会
論文
- Development and regression of the thyroglossal duct in mice
- Periostitis Ossificans Arising in the Mandibular Bone of a Young Patient- Report of an Unusual Case and Review of the Literature
- Two-chqnnel endoscopic sinus surgery for postoperative maxillary cyst
- Expression of mucinl(MUCI)in squamous cell carcinoma of the oral cavity
- Characteristics and Effects of Muscle Fibers surrounding Lingual Carcinoma
- Implication of p53R2 Disappearance in human squamous cell carcinoma of the oral cavity
- Localization of Heat Shock Protein27(Hsp27)in the Rat Gingiva and its Changes with Tooth Eruption
- 当科において過去40年間で診断した口腔顎顔面悪性腫瘍541例の臨床病理学的検討
- 先天性第7因子欠乏症の抜歯経験術前心電図で2段脈を認めた症例
- 頬粘膜憩室様病変の1例
- 顎骨骨折における歯牙結紮法と線副子の基礎と応用の文献的考察(1~3)
- 文献からみた明治5年から昭和47年の間の我が国口腔外科の歴史(1~4)
医院紹介

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