当サイトでは「マイクロスコープ」と書いていますが、これは歯科用の電子顕微鏡のことです。
その名の通り歯医者さんが使う顕微鏡で、3倍から30倍くらいに拡大することができます。
マイクロスコープの特性上、上下左右が反転した像を見ながらの治療となります。
そのためマイクロスコープを駆使する歯医者さんは卓越した手技と経験があるのです!
動画監修: 医療法人社団潤優会 若林歯科医院 若林 潤 先生
デンタルマイクロスコープ治療のメリットと機器の特徴
先生、マイクロスコープとはどんな機器なんですか?
はい、マイクロスコープとは、高性能な顕微鏡で、ここでは歯科用に開発されたものを説明していきます。
マイクロスコープを使用する最大のメリットは、今まで治療する際に、肉眼ではよく見えなかった歯の隅々まで、手に取るように見ることができる点です。
へぇ~!こんなに違って見えるんですね!
肉眼だと小さくて、あまりよく見えないんですね。
歯科用マイクロスコープは、基本的な虫歯治療をはじめ、形状の細かい、歯の神経を治療する根管治療や、審美治療で歯肉に近い部分の歯を削合することで、より綺麗な状態に仕上げる事が可能となります。
たしかに、これだけよく見えたら、いろいろな治療に使えそうですね!
マイクロスコープには、レンズの先端にライトがついているので、患部を明るく照らすことができ、肉眼と比べて随分と見やすくなります。
無駄に歯を削ることなく、虫歯の取り残しを防ぐことが可能になります。
確かに、大切な歯なので、極力削ってほしくないです。
削る量が多いと、痛みも心配になりますから。
次に、歯の神経を治療する、根管治療をご説明します。
ご覧のように、歯の神経はとても複雑な形状をしています。
わぁ~、こんな風になっているんですね!
虫歯が神経の角、髄核まで及んでしまっている場合、神経を取る必要があります。
神経を取る場合は、歯を削り天蓋を取り除きます。
ここでようやく、神経の治療に移るのですが、上から見ると神経の形状が見えません。
斜めからのぞき込むことで見えてきますが、根の奥の方までは見えないのです。
このため、肉眼では根の形状を予測して治療するしかできないので、感染物質を完全に取り除くことが難しく、この状態で治療を終えてしまうと、再発してしまう可能性が高くなります。
そこでマイクロスコープを使用して感染物質を取り残さず、成功率を上げていきます。
まずエンド三角と呼ばれる部位を削っていき、神経を上から見れる状態にします。
非常に精密な作業を要求され、マイクロスコープでないと、治療が非常に困難となります。
これがエンド三角を取り除いた後の、上から見た根管の様子です。
先ほどと違って、根の奥まで、本当によく見えますね!
ここからさらに神経の奥を治療していきます。
それでは次に、審美治療で使われる一例をご紹介します。
審美治療でマイクロスコープが特に威力を発揮するのが、支台歯形成の時です。
歯と歯茎の間を1mm程度深く削ることで、境目を美しく仕上げることができます。
こちらも肉眼では非常に難しい、精密な作業が必要になります。
仕上がりを比べても違和感のない自然な感じで、患者さんにとってはうれしいですね!
マイクロスコープは、治療中の口内の状態を、画像や映像に記録することもできます。
治療中に撮影した画像や映像を使って、患者さんに説明をしてあげることで、患者さん本人には見えない、自分の歯の状態や、治療内容を確認することができます。
これは安心ですね!
今まで自分の口の中がどうなっているのか、よくわからなかったですから。
マイクロスコープは高額なためか、導入している医院は全体の約6%ほどとなっています。
「デンタルマイクロスコープClinic」というサイトで、マイクロスコープを導入して、こだわりの治療を行っている医院が取り上げられているので、ぜひ探してみてください。