人が肉眼で識別できる最小サイズは0.1mm~0.2mmと言われています。
マイクロスコープを使用した治療は「肉眼では見えないものが見えるようになる」ことに尽きます。
ここでは虫歯治療においてマイクロスコープを使用した症例をご紹介いたします。
治療で削る量を最小限に
マイクロスコープで、虫歯の患部を高倍率で直接見ることによって、より精密な治療に繋がる可能性が高まります。
虫歯になった悪い所のみを削り取ること、削る歯の量を最小限に抑えることが、歯を残していくことには大切です。
虫歯で削った部分をふさぐ際にも、マイクロスコープを駆使し、肉眼では確認することが難しいと思われるわずかな段差や隙間も、術者のスキルによって、発見・処置できる可能性が高まります。
歯の耐久性が担保され、その後の虫歯再発予防に対しても期待できるようになるには、術者のスキルが大きく左右すると言えるでしょう。
染色液を使用したカリエス(虫歯)チェックで
肉眼では見えにくい虫歯を発見・治療した症例
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マイクロスコープ
低倍率で見た染色部 -
マイクロスコープ
中倍率で見た染色部 -
マイクロスコープ
高倍率で見た染色部
高倍率でマイクロスコープを使用し、虫歯染色液のみをピンポイントで削除することで、健康な部分の歯の削りすぎや虫歯の取り残しを防ぐことに繋がった例です。カリエスチェックの場合、ごく薄く染色している部分もしっかり削る必要がありますが、低倍率~中倍率でも染色部はほとんど視認できず、見過ごされてしまう可能性が高いことがお分かりになると思います。
このようにマイクロスコープを使用した治療では、健康な歯の削りすぎと虫歯の取り除きを防ぐことに繋がる可能性が高まります。 また、歯に詰め物をする際にも、かみ合わせの最終調整のイメージをしながらレジン(詰め物)を入れていかないと、フラットになってしまい審美的・機能的に後で問題が起こるケースも考えられます。
マイクロスコープでないと見えないほどの極細のコンポジットレジン(※)を使用し、小さなすき間が生じないよう重点的に充填していくことが大切です。マイクロスコープを使用するドクターのスキルにも依存しますが、歯のかみ合わせを考慮したより精密な詰め物に仕上げることで、審美面・機能面の向上にも大きく貢献することが期待できます。
(※)極細のコンポジットレジン
画像上が通常のコンポジットレジン。
画像下が精密な詰め物に仕上げることができる、極細のコンポジットレジンです。
動画提供: 北久里浜矯正歯科 林 明賢 先生
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神経の治療
非常に複雑で細かい形態をしている歯の根の中の神経治療(根管治療)は、マイクロスコープが最も必要とされる治療のひとつです。
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マイクロ外科手術
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歯周病の治療
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