【指導医監修】治療した歯がズキズキ痛い原因と対処法|再発を防ぐマイクロスコープ

「ズキズキと脈打つような歯の痛みをなんとかしたい」
「以前治療した歯が痛い……もしかして失敗した?」

当記事では、治療した歯が痛くなる原因、【治療後すぐ】【しばらくしてから】など痛みのタイミング別の今すぐできる対処法再発を防ぐ【マイクロスコープ精密治療】を専門医の監修付きで解説します。

記事監修医は、全国で45人・福岡ではわずか5人しかいない(2025年8月現在)日本顕微鏡歯科学会の認定指導医、辻本 真規先生が担当。
「歯の痛みを繰り返したくない!」と強く願うあなたに向けて、確かな知識をお伝えします。

この記事を監修した医師

辻本 真規
Tsujimoto Masaki

日本顕微鏡歯科学会の「認定指導医」であり、他の歯科医師を指導する立場にあるスペシャリスト。
「一人の患者さんにかける時間と質こそがすべて」という信念から、診療は「1日最大5人」までとし、マイクロスコープによる精密で繊細な治療を得意とする。

治療した歯の痛みはいつまで続く?受診の目安と危険な症状

治療後の歯の痛みは、様子を見ても良いケースと、放置すると重症化して危険なケースの2種類があります。

様子を見ても良いケースは、治療直後の痛みで、徐々に和らいでいき2~3日中に気にならなくなる程度の症状のときです。

一方、治療後しばらく経ってから出た痛みや、以下のような症状がある場合は、すぐに歯科医院を受診すべきです。

  • 気になって夜も眠れないほどの強い痛み、痛みで目が覚める
  • 痛み止めが効かない、一時的にしか効果がない
  • 歯茎が明らかに腫れている、膿が出ている

歯を治療してから時間が経過している(1か月~数年後)、ズキズキと響くような痛み、症状が強いといったケースでは、歯の内部が細菌感染してしまっていたり、再発したりしている可能性が非常に高いと言えます。
歯の痛みだけでなく、歯茎に炎症が広がるなどの症状の悪化を招く前に、一刻も早く歯科医院を受診してください。

日本顕微鏡歯科学会の認定指導医在籍
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治療した歯がズキズキと痛む原因

治療した歯がズキズキと痛む場合、「一時的な痛み」と「再治療が必要な痛み」とで原因が異なります。

治療後すぐの「一時的な痛み」

治療後すぐ、当日から2~3日以内に出る一時的な歯の痛みは、身体の正常な反応であるケースが多いです。

①歯の神経が過敏になっている

虫歯の治療などで、歯を削った振動や熱が歯の神経(歯髄)に伝わり、一時的に神経過敏を引き起こすことがあります。
麻酔が切れた後、冷たい空気や噛む力といった僅かな刺激に敏感に反応し、「しみる」「噛むとズキズキ響く」といった痛みが出ることがあるでしょう。

②詰め物による知覚過敏が出ている

虫歯治療の際に銀歯(金属)を使った場合、熱伝導率が高いので、熱い飲み物や冷たい食べ物の温度が歯の神経に伝わりやすく、「キーン」としみることがあります。

詰め物による知覚過敏は、治療後およそ数週間から数か月かけて、徐々に感じにくくなっていきます。

また、レジン(プラスチック素材)を使った場合も、治療をしてから日が浅いと痛みが出やすいです。

③炎症が治まっていく過程での治癒痛(ちゆつう)

深い虫歯の治療などで歯の内部の炎症を取り除いた後は、ダメージを受けた組織が回復していく過程で痛みが生じることがあります。

特に、歯の根の治療(根管治療)の後だと、噛んだ時に鈍い痛みがしたり、歯が少し浮いたような感覚が出ることがありますが、通常1~2週間で和らいでいくことがほとんどです。

【まとめ】

これらの「一時的な痛み」は日に日に和らぐのが特徴です。もし症状が変わらない、または徐々に強くなる場合は、躊躇わずに歯科医院へご相談ください。

放置は危険!「再治療が必要な痛み」

歯の内部で再感染などのトラブルが起きている場合、ズキズキとした強い痛みが出ることがあります。
これらの痛みは自然治癒することはなく、放置すると悪化するだけなので、歯科医院での精密な検査と、原因を根本から取り除く治療が不可欠です。

①歯の根の先に膿が溜まっている(根尖病変)

 治療後しばらく経ってから歯が痛む場合、原因として非常に多いのが、歯の根の先に膿が溜まる根尖病変(こんせんびょうへん)です。
前回行った歯の神経の治療(根管治療)で、歯の根の内部(根管)に感染部位の取り残しがあり、細菌による再感染を起こして根の先に病気が作られた状態です。

【症状の進行】

初期:ほとんど無症状、徐々に噛んだ時に違和感や軽い痛みを感じるようになる

進行期:脈打つようなズキズキとした痛み

さらに悪化すると、歯茎や顔が腫れたり、膿が出たり、発熱することがあります。
これらの症状が出た場合は、すぐに歯科医院を受診してください。

②歯の根にひびが入っている・割れている(歯根破折) 

歯の神経を抜いた歯は、歯を大きく削られている場合が多く、治療法によっては、健康な歯に比べてもろくなり、折れたり割れやすくなります。また、神経を取った歯は、健康な歯に比べて少し鈍感になるため、強い噛み合わせの力や、歯ぎしり・食いしばりがある人は、目に見えないひびが入り、細菌が侵入して強い痛みや腫れの原因となる事があります。
神経を抜いた後の被せ物のデザインによっては、残っている歯の部分に力がかかりやすくなることもあるため、専門的な知識を持っている先生に診てもらうことも重要です。

歯根破折は、放置すると歯がグラグラするようになり、最悪の場合に抜歯に至ることも少なくないため、早期の正確な診断が不可欠です。

③詰め物や被せ物の下で虫歯が再発している(二次う蝕)

歯の詰め物や被せ物は、時間が経つとすり減って劣化し、僅かな隙間ができることがあります。
その隙間から細菌が侵入し、歯の内部で気づかないうちに虫歯が進行して神経を刺激し、痛みを引き起こします。

詰め物や被せ物の下に隠れた虫歯は肉眼では発見が難しく、痛みが出たときには神経の近くまで進行しているケースも少なくありません。

④詰め物や被せ物の不適合

詰め物や被せ物が精密に適合しておらず、他の歯よりわずかに高い・形が合っていないだけでも、噛むたびに歯に過度な負担がかかり続けます。

その結果、歯を支えるクッションのような組織(歯根膜)が炎症を起こし、噛んだ時にズキズキとした痛みの原因になります。

【まとめ】
再治療が必要な痛みの原因は、歯の根の深部で起こる問題(根尖病変・歯根破折)から、詰め物や被せ物が引き起こす問題(二次う蝕・不適合)まで様々です。
肉眼では根本的な原因の特定が難しいので、歯科医院での精密検査が不可欠と言えます。

福岡市・近隣エリアからもご来院いただいています。
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治療した歯が痛いときの対処法とやってはいけないNG行為

夜間や休診日ですぐに歯科医院を受診できない場合、症状を悪化させない応急処置としてできることがあります。
ただし、自宅でできる対処法は、あくまでも一時しのぎであり、痛みの根本的な解決方法ではありません。

また、歯が痛いときに避けるべきNG行為についても記載しますので、症状を悪化させないためにもご注意ください。

対処法① 痛み止め(解熱鎮痛剤)を服用する

歯科医院で処方された薬があれば、まずは指示通りに服用してください。
もし手元にない場合は、市販の痛み止め(解熱鎮痛剤)も有効です。購入の際は可能であれば薬剤師に相談し、服用時は用法・用量を守りましょう。

対処法② 痛む部分を冷やす

ズキズキと脈打つように歯が痛む場合は、歯の内部で炎症を起こしている可能性が高いです。
冷たい水で濡らしたタオルや冷却シートなどで、痛む方の頬の外側から優しく冷やすと、血流が抑えられて痛みが和らぐことがあります。

ただし、氷を直接口に含むなど、患部を冷やしすぎるのはNGです。強い刺激となり、かえって痛みを増幅させる可能性があります。

NG行為① 刺激があるものを口にする

歯が痛むときは、食事の内容にも注意が必要です。患部を刺激しないよう、以下の点を心がけましょう。

【避けるべき食事の例】

  • 硬いもの(せんべい、ナッツなど)
  • 熱すぎる・冷たすぎるもの(熱々のスープ、氷など)
  • 香辛料などの刺激が強いもの(唐辛子、カレーなど)

【おすすめの食事の例】
お粥、スープ、ヨーグルト、やわらかいゼリー飲料など、あまり噛まなくても良いもの

NG行為②痛む場所に触れる

痛みが気になっても、指や舌で患部に直接触れるのは絶対にやめましょう。
細菌に侵入や患部への刺激により、痛みが悪化するおそれがあります。

NG行為③血行を良くする

運動、長時間の入浴(湯船につかる)、飲酒などの血行を良くする行為は、炎症を増幅させ痛みの悪化を招きます。
歯の痛みがある日は、入浴はシャワーで済ませ、飲酒は控えましょう。

治療した歯が再び痛むのを防ぐ方法|感染源の取り残しを防ぐマイクロスコープ精密治療

※画像は辻本デンタルオフィスで導入しているマイクロスコープと、マイクロスコープで撮影した動画を使って説明する様子。

強い歯の痛みが再発し、「抜歯」の文字が脳裏によぎった方もいるかもしれません。
しかし、大切な歯を残すための根本的な解決方法として、「マイクロスコープ(歯科用実体顕微鏡)による精密治療」という選択肢があります。

この精密治療で痛みの再発を防ぐには、以下の3つのポイントをすべて満たすことが不可欠です。

ポイント①:原因を特定する「歯科用CTによる精密診断」

歯の内部は一人ひとり形状が違う複雑な構造のため、従来のレントゲン(平面画像)では隠れた病変を見逃してしまうリスクがあります。

そこで診断の精度を上げるのが、歯科用CTによる三次元画像です。
歯の神経や血管の位置、病変の広がりなどを可視化することにより、歯の痛みの原因を特定し、治療の安全性と成功率が高まります。

ポイント②:感染源を除去する「マイクロスコープによる精密治療」

マイクロスコープ(歯科用実体顕微鏡)は、肉眼と比較して最大20倍ほど視野を拡大できるので、従来よりも精密な治療を可能にします。

【肉眼とマイクロスコープの比較】

肉眼による治療マイクロスコープ治療
治療の精度見えない部分は医師の経験と勘で判断拡大視野により患部を直接確認できる
歯への影響健康な歯を削るリスクあり健康な歯を削る量を最小限にできる
再発リスク患部の取り残しによる再発リスクあり患部の取り残しを防ぎ、再発リスクを低減できる

マイクロスコープによる精密治療は、健康な歯を削る量を最小限に抑えながら、感染源の取り残しを防ぎ、歯の再発リスクを大幅に低減させます。
歯への負担が少ないため、治療後の痛みが軽減される点も患者さんにとって大きなメリットです。

ポイント③:治療の成功を左右する「信頼できる専門家へ相談」

歯の再治療は、初回の治療時よりも高度な専門知識が求められるため、信頼できる歯科医院に相談しましょう。
歯科用CTやマイクロスコープといった道具の性能を引き出し、精密な診断と治療を可能にするのは、歯科医師の技術と経験だからです。

「歯が痛いのはもうイヤ」「何度も治療を繰り返したくない」と強く願うなら、セカンドオピニオンを求めることも非常に有効と言えます。
特に保険診療の場合、「1回15~30分」といった治療時間の制約から、マイクロスコープを使っていても感染源の取り残しリスクをゼロにすることは難しいのが実情です。

だからこそ、「信頼できる名医に診てもらいたい」と思うなら、マイクロスコープ治療の専門家である日本顕微鏡歯科学会の歯科医師に相談することをお勧めします。

マイクロスコープによる精密治療の注意点

マイクロスコープを使った精密治療で保険適用となるのは「歯根端切除術」と「大臼歯の根管治療」のみです。
その他の歯科治療でマイクロスコープによる歯科治療を行う場合、自由診療となります。

自由診療の場合、保険診療と比較して治療費の負担が増えるので注意が必要です。

しかし、治療の繰り返しや痛みの再発を防ぐという点では、マイクロスコープを使った自由診療を選択するメリットは大きいです。

自由診療には、保険診療のような「時間」や「使用できる材料・技術」の制約がありません。
そのため、「再発させないこと」「歯を1本でも多く長持ちさせること」を最優先の目的として、一回の治療で徹底的に原因を取り除くことが可能になります。
どちらの治療法を選ぶべきかお悩みの方は、まずは一度、歯科医院でご自身の歯の状態について相談してみることをお勧めします。

マイクロスコープを使った精密治療なら辻本デンタルオフィスへ

福岡・九州エリアで歯の再治療をご検討中の方、特に「もう治療を繰り返したくない」と強く願う方は、ぜひ一度、辻本デンタルオフィスにご相談ください。

院長の辻本真規先生は、他院で「抜歯しか方法がない」と診断された歯を、数多く救ってきた実績があります。難しい症例のセカンドオピニオンも、随時受け付けています。

症例から見る、辻本デンタルオフィスの精密治療

治療した歯が再び痛む原因で非常に多いのが、この症例のように、銀歯の下で肉眼では見えない虫歯や感染が進行しているケースです。
辻本デンタルオフィスでは、「肉眼では見えない感染源」を徹底的に除去するために、歯科用CTによる精密な診断を土台とし、以下の三つの取り組みをすべて実施しています。

① 染め出し液による可視化
虫歯にのみ色が付く特殊な液を使い、勘や経験に頼ることなく、感染した部分を正確に特定し、取り除きます。

② マイクロスコープによる拡大視野
視野を最大20倍以上に拡大し、健康な歯を削る量を最小限に抑えつつ、感染源の取り残しを徹底的に防ぎます。

③ ラバーダム防湿による無菌環境
治療する歯以外をゴムのシートで隔離します。唾液に含まれる細菌が治療部位に侵入するのを完全に防ぎ、治療中の再感染リスクを防ぎます。

とくにマイクロスコープは、精密歯科治療で必須とされる道具ですが、性能を引き出すにはそれを扱う歯科医師の経験や技術が欠かせません。
「歯の治療や痛みを何度も繰り返したくない」と本気で思う方は、マイクロスコープによる治療を他の歯科医師に教える立場にある「日本顕微鏡歯科学会 認定指導医」の辻本先生へご相談ください。

日本顕微鏡歯科学会の認定指導医在籍
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よくある質問(Q&A)

Q.歯が痛いと頭痛もするのはなぜ?

A.虫歯が歯の神経まで到達していると、歯の痛みが三叉神経と呼ばれる頭部の神経に伝わって頭痛を引き起こすことがあります。
「歯の痛みと頭痛が同時にくる」「頬や顎からこめかみに広がる痛みがある」といった場合、可能性が高いです。
また、歯の噛み合わせが悪いと、顎や首の筋肉が緊張することで頭痛を引き起こすこともあります。

Q.歯の痛みに市販薬を使ってもいい?

A.歯科医院で痛み止めが処方されなかった場合、市販の解熱鎮痛剤を利用しても構いません。
ただし、用法・用量を必ず守り、痛みが続く場合は歯科医院を受診してください。

Q.治療した歯が数か月後に痛むのは?

A.虫歯の再発や歯の神経の炎症、詰め物や被せ物の劣化・破損など、さまざまな原因が考えられます。
原因を特定するため、早急に歯科医院で検査を受けてください。

Q. 精密治療(自費)と、保険診療では、何が違うのですか?

A. 最も大きな違いは、「治療時間」と、使える「材料や設備」です。
保険診療が「最低限の機能回復」を目的とするのに対し、精密治療(自費)は「再発させず、歯を1本でも多く長持ちさせること」を最大の目的とします。
費用はかかりますが、何度も治療を繰り返すことによる身体的・経済的負担を、長期的に見て軽減できるという考え方です。

辻本デンタルオフィスのアクセス情報

辻本デンタルオフィスは、福岡市中央区の地下鉄大濠公園駅(福岡市美術館口)から徒歩4分にあります。
患者さんのご自身の歯を大切にする精密な治療をご提案していますので、歯に関するお困りごとはなんでもご相談ください。

辻本デンタルオフィス(福岡市中央区・大濠公園駅)

院長紹介

辻本デンタルオフィス

Tsujimoto Dental Office

院長辻本 真規

院長プロフィール
  • 2008年 日本大学松戸歯学部卒業 日本大学松戸歯学部付属病院研修医
  • 2009年 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科齲蝕学分野入学
  • 2009年~2018年 開業医勤務
  • 2013年 日本顕微鏡歯科学会 認定医取得、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科修了、博士(歯学)取得
  • 2013年~2018年 長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科齲蝕学分野助教
  • 2016年~ 日本顕微鏡歯科学会代議員
  • 2017年~ 日本顕微鏡歯科学会認定指導医取得、デンツプライシロナエンド公認インストラクター
  • 2018年 辻本デンタルオフィス開業
  • 2023年~ 日本顕微鏡歯科学会理事
  • 2025年 日本大学松戸歯学部保存修復学講座兼任講師
所属学会・スタディグループ
  • 日本顕微鏡歯科学会
  • 日本歯内療法学会
  • 日本歯科保存学会
  • 日本臨床歯周病学会

医院情報・アクセス

辻本デンタルオフィス

〒810-0062
福岡県福岡市中央区荒戸2丁目1-18
アスエリア大濠2F
(福岡市地下鉄空港線大濠公園駅から徒歩4分)

TEL 092-791-2223
URL https://www.tsujimoto-do.com/

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