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目次
-朝の歯磨きのタイミング、皆さんはいつですか?
-まずは「起きてすぐに歯磨き」派
-意外に多い「朝食後に歯磨き」派
-おすすめは…
朝の歯磨きのタイミング、皆さんはいつですか?
みなさんは「朝」の歯みがきは、いつするのが正解だと思いますか?
「汚れや食べかすを落とすのだから朝食後」という方が多いのではないでしょうか。
朝の歯みがきのタイミングをお伺いすると、「朝起きてすぐは口内がネバついて気持ちが悪いので磨く」という方もいます。
一方、「歯みがきは虫歯予防を考えると食後が肝心だから朝食後」という方もいるでしょう。
2つの意見を聞くと、どちらも一理あるため、「本当のところ、どっちが効果的なの?」と迷ってしまいますよね。
そこで、朝起きてすぐの歯磨きと朝食後の歯みがきそれぞれのメリットを比べて、どちらが効果的なのか考察してみましょう。
まずは「起きてすぐに歯磨き」派
まずは、朝起きてすぐに歯磨きすることで得られるメリットとして、3つご紹介します。
【メリット①:口腔内環境をリセットする】
朝起きてすぐに歯磨きをする最大のメリットは、「口腔内の環境をリセットする」ということです。
就寝中は唾液の分泌が極端に減ります。そのため口腔内が乾燥しやすく、口腔内の常在菌が唾液で流されにくくなります。
また、常在菌の活動が活発になり、細菌数は一気に増殖してしまいます。
朝起きてすぐに歯磨きすれば、就寝中に増えた細菌を口外に排出できます。虫歯や歯周病の原因菌の数や活動をリセットしてから1日をスタートさせることができるのです。
【メリット②:細菌を体内に摂り込ませない】
朝起きてすぐ歯磨きをしないまま朝食を摂ると、お口で増殖した細菌も一緒に体内へ摂り込んでしまい、腸内環境の乱れにつながることがあります。
腸内環境の乱れは身体の免疫力の働きも鈍らせ、ウイルス感染のリスクも高めてしまう要因になるのです。
風邪やインフルエンザなどさまざまな病原菌を体内に摂り込まないようにするためにも、朝起きてすぐの歯磨きは効果があるでしょう。
【メリット③:スッキリ目覚められる】
お口の中はさまざまな感覚を司る器官が集まっています。朝起きてすぐに歯磨きすると、歯ブラシで刺激された舌や頬を介して、適度な刺激が脳に伝達され活性化させてくれます。
また、歯みがき剤やマウスウォッシュなどで口内がスッキリする効果もあります。
朝起きてすぐ歯磨きすることで、目覚めよくスッキリ起きることができ、1日の活動スイッチを入れることができるでしょう。
意外に多い「朝食後に歯磨き」派
次に、朝食後に歯磨きすることで得られるメリットを3つご紹介します。
【メリット①:食べかすを落とす】
「食後歯に残った食べかすを落とす」ということは、まず最初に皆さんが思うメリットではないでしょうか?
食事を摂った後はどんなに飲み物で流しても、食べかすが歯のすき間に詰まったり、奥歯の噛み合わせの溝に残りがちです。
朝食後に詰まった食べかすをしっかり取り除き、スッキリしたお口の状態で学校や職場へ出かけましょう。
【メリット②:口腔内のph(ペーハー)を中性に戻す効果】
虫歯は細菌が作る歯垢が原因でもありますが、実は口腔内が酸性になることで歯が溶かされた状態も「虫歯」です。
普段は中性に保たれている口腔内は、食事をすると酸性に傾きます。食後歯磨きしないと歯が酸にさらされている時間が長くなり、歯が溶けてしまうのです。
これを唾液の中和作用や歯磨きすることでできるだけ早く中性に戻し、酸で歯が溶かされることを予防します。
【メリット③:細菌増殖の抑制効果】
歯の表面は、酸によって溶かされにくいように「ペリクル」という被膜で覆われています。
本来歯を守るためのものですが、口腔内環境が悪くなると細菌が増殖してそれを宿巣とし、ペリクルと結びついて「歯垢」を形成します。
歯垢は、細菌が食事やオヤツで摂った糖分をエサにして分解し形成したものです。食後歯磨きしないと歯垢形成が進み、細菌も増殖し、結果虫歯になりやすい口腔内環境になってしまうので、食後は歯磨きして口腔内をリセットすることが大切なのです。
おすすめは…
起きてすぐの歯磨きが最も重要ですが、朝食後にも改めて歯磨きを行うのがベストです。
朝起きてすぐの口腔内は、ネバネバした感じや歯の表面がザラザラした感じを覚えたことはありませんか?また、口臭がきついと感じる方もいるでしょう。
これは、寝ている間に唾液の分泌が減少して細菌が増殖し、口腔内環境が悪くなっている証拠です。
特に高齢者の方は朝起きてすぐの歯磨きは健康面においても重要で、免疫の低下から誤嚥性肺炎になりやすくなることもあります。
不必要な細菌を体内に侵入させないためにも、朝食前にお口を清潔にしてから美味しく朝食を摂りましょう!
また、朝食後に詰まった食べかすをしっかり取り除き、スッキリしたお口の状態で学校や職場へ出かけましょう。
この記事の執筆監修者
平河 貴大 先生 (ひらかわ歯科医院 院長)
■経歴
九州大学 農学部 卒業
九州大学 歯学部 卒業
九州大学病院にて研修後、ウェルカムデンタルクリニックにて研鑽
■所属学会