編集部コラム | 歯科検診の際に知っておきたい用語一覧!

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歯科検診で歯医者さんが記録者に素早く伝える「シーオー」や「6マル」などの用語。まるで何かの暗号のようにも聞こえますが、これらの用語はそれぞれの歯の位置やその歯の虫歯の進行度、過去の治療歴などを表しています。

ここでは歯科検診でよく耳にする英語や数字、記号が一体何を意味するのか気になる方に、その詳しい内容についてご紹介していきたいと思います。

 

目次

歯科検診用語の「C」って何?
1や2などの数字の意味は?
斜線やバツなどの記号の意味は?
まとめ

 

歯科検診用語の「C」って何?

 
歯科検診でまず耳にするのが、「シーオー」「シーワン」といった『C』と『数字』の組み合わせです。
 
この『C』は“caries(カリエス)”という英語の頭文字を取ったもので、いわゆる「虫歯」を意味しています。
 
そして『C』の次につくアルファベット(O:オー)や数字(1,2,3,4)は、虫歯の進行具合を表します。
 
以下にそれぞれについて詳しく解説していきましょう。

 

・CO(シーオー)

一般に「初期虫歯」と呼ばれますが、厳密には虫歯ではなく、虫歯になりかけている状態を意味します。とくに治療の必要はありませんが、そのまま放置すると虫歯(C1)へと進行していくため注意が必要です。歯磨きの徹底やフッ素の活用により、もとの健康な歯に戻すことができます。

 

・C1(シーワン)

歯の表面にあるエナメル質に発生した虫歯です。まだ小さい虫歯なので症状などはありません。エナメル質内の虫歯は痛むことやしみることがないので、急いで治療する必要はありませんが、虫歯が象牙質に達すると進行していくので、早期に治療してあげたほうが良いです。

 

・C2(シーツー)

エナメル質の下にある象牙質に進行した虫歯です。この段階になると「歯に穴が空く」「歯が黒く見える」「冷たいものがしみる」などの症状があらわれます。

 

・C3(シースリー)

象牙質の下の「歯髄(しずい)」という歯の神経にまで進行した虫歯です。冷たいもの・熱いものがしみるほか、何もしなくてもズキズキとした痛みを感じやすくなります。

 

・C4(シーフォー)

虫歯によって歯のほとんどを失い、根っこだけが残った状態です。歯の神経が死んでいるため、痛みは感じません。治療では「抜歯」になるケースが多くみられます。

 

1や2などの数字の意味は?

 

先の「CO(シーオー」や「C1(シーワン)」など虫歯の程度を表す記号では、その直前に「1番」「5番」「B」といった数字やアルファベットがつけられます。

これらの数字やアルファベットは、それぞれの歯の名称を簡略化したものです。

 

まず永久歯は親知らずを入れて32本、上下左右に8本ずつ生えており、それぞれに中切歯や第一小臼歯、第二大臼歯などの名称がついています。

しかし口頭やカルテに記入する際の手間を省くため、通常歯科ではそれらを前方から1~8の数字で呼ぶのが一般的です。

たとえば一番手前にある中切歯は“1番”、前から4番目にある第一小臼歯は“4番”となり、これが右上の中切歯であれば「右上1番」となります。

したがって「右上1番C1」と歯科医が言えば、それは“右上の中切歯にC1レベルの虫歯がある”ということになります。

これと同様に、乳歯の場合は全歯20本、上下左右に5本ずつあり、これらに前からA~Eのアルファベットをあてて呼んでいきます。

 

歯科検診ではこのほかに、歯周病検査において歯周ポケットの深さを数値化したり(歯周ポケット検査)、歯の揺れ具合(動揺度)を【 0 , I- , I , I+ , II- , II , II+ , III- , III , III+ 】という10段階で判定したりしています。

 

斜線やバツなどの記号の意味は?

 

小・中・高で実施される学校検診では上記のものとは別に、「マル(〇)」や「斜線(/)」といった児童生徒健康診断表に記載する記号があります。

以下に簡単ですが、これらの記号の示す意味についてご紹介していきましょう。

 

・斜線(/):健全歯・現在歯

現在生えている乳歯、永久歯または虫歯や初期虫歯(CO)がない歯

 

・シーオー(CO):要観察歯

見た目上は虫歯ではないが、生活習慣等に問題があり、そのまま放置すると虫歯になるおそれがある歯

 

・シー(C):未処置歯

虫歯があり、治療が必要な歯

 

・マル(〇):処置歯

すでに虫歯の治療をしている歯または現在虫歯を治療中の歯

 

・サンカク(△):喪失歯

虫歯が原因で失った歯(乳歯には使用しない)

 

・バツ(×):要注意乳歯

残すか否かを慎重に判断する必要のある乳歯

 

・ジーオー(GO):歯周疾患要観察者

歯肉炎が認められるが、歯石がついておらず、適切なブラッシング等で改善が見込まれるもの

 

・ジー(G):歯周疾患罹患者

歯肉炎で精密な検査や治療のために歯科医院の受診が必要なもの

 

・サ/マルサ(?):サホライド塗布歯

サホライド(虫歯の進行止めの薬)が塗布されている歯

 

・シ/マルシ(?):シーラント処置歯

噛む面の溝に「シーラント」という虫歯予防処置がおこなわれている歯

 

学校検診ではこのほかに、「歯列・咬合・顎関節の状態」や「歯肉の状態」、「歯垢の状態」をそれぞれ、0・1・2の3段階で評価していきます。

 

まとめ

 
以上のように、歯科検診では現在の歯の本数や個々の歯の虫歯・歯周病(歯肉炎)の状態、さらに噛み合わせや顎関節、清掃状態などをチェックし、カルテ等に記載します。
 
歯科医院で受ける歯科検診では、基本的に検診後に歯科医から現在のお口の様子や治療の有無についての説明があります。
 
ただ学校検診や自治体が実施する歯科検診については、上記に示した記号の意味などをあらかじめ知っておくと日頃のケアに役立てやすいでしょう。

 

 

この記事の執筆監修者

 
dr-wakabayashi若林 潤 先生
(医療法人社団潤優会 若林歯科医院 理事長)

■経歴

日本大学歯学部 卒業

1995年 若林歯科医院 開設

2007年 医療法人社団潤優会 設立

■所属学会

日本歯周病学会

日本歯科審美学会

日本臨床歯周病学会

日本口腔インプラント学会

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