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舌は健康のバロメータと言われます。
健康状態によって様々に変化するため、舌を観察すれば体の状態が分かることもあるでしょう。
舌は粘膜が薄く、血液の色が反映されやすいため、血液の状態がわかりやすい部分なのです。
また、舌の表面は新陳代謝が盛んなため、病気の予兆が現れやすい箇所であるとも言えます。
自分の舌を観察してみてください。
舌の状態をチェックすることは、健康な体を維持することにも繋がります。
目次
-舌には自分の健康状態が表れる
-舌の色が赤くなっている場合に考えられる身体の不調
-白っぽく見えるのは舌苔の影響が考えられる
-痛みやしびれを感じる場合
-不調のサインを感じたら
舌には自分の健康状態が表れる
舌は毛細血管が多く集まる粘膜組織であるため、血流や体液の変化が真っ先に現れる場所です。
舌の状態を見るだけで、血流や体液、自律神経の働き具合までもが把握できます。
たとえば、舌が赤く腫れている場合は、血流が悪くなっている可能性があり、舌苔が厚い場合は、代謝が悪くなっていることも考えられます。
また、舌の筋肉が動きにくいという場合は、自律神経のバランスが崩れているかもしれません。
舌の状態は、日々の健康状態をチェックするうえで、とても重要な指標です。
鏡でチェックして、体調の変化に注意しましょう。
舌の色が赤くなっている場合に考えられる身体の不調
舌の色が赤くなっている場合の要因の一つとして、舌炎の可能性が考えられます。
舌炎になると、舌の表面が赤く腫れて、場合によっては熱感を伴うこともあります。
外部の刺激に敏感になり、食事もままならなくなることもあるでしょう。
こうした症状の場合は、舌炎の可能性があります。
舌の色は、血流の状態や体の熱量を示す手がかりとなりえます。
通常、健康な舌は淡い赤色かピンク色をしていますが、体が熱を持っている状態や水分不足の場合には、舌はより赤く見えることがあります。
見た目ではきれいに見えても注意が必要で、このような場合は体内に熱がこもり、水分が不足している状態を示しています。
また、血液の流れが悪くなることもあり、アルコールや高カロリーで高脂質の食事、辛い食べ物の摂りすぎなどが原因となって、舌が赤くなっていることも考えられます。
その場合は食事の見直しをされるのが良いでしょう。
健康な舌の色を保つためには、バランスの取れた食事と適度な水分摂取が重要なのです。
白っぽく見えるのは舌苔の影響が考えられる
体が冷えていたり、栄養が足りていなかったり、疲れていると、舌の色は白く変わります。
舌の表面が白っぽく見えるのは、舌苔(ぜったい)が増えすぎた状態です。
健康な人の舌は、うっすらと白い舌苔がついていて、その下のピンク色が透けて見えます。
舌苔が増えすぎているのであれば、胃や腸の調子が悪いことが考えられます。
また、風邪の初期症状としても、同じような状態になることがあります。
もし舌苔が黄色がかっている場合、状況はもっと深刻かもしれません。
胃や肝臓などにトラブルを抱えている可能性や、食べ過ぎで胃炎を起こしている可能性もあります。
舌自体が白っぽくなっている場合もありますが、これは血液の循環が悪くなっていたり、体が疲れていることを示しています。
貧血気味の場合も考えられるので、まずは体を温めて栄養をしっかり摂り、十分に休むようにしましょう。
痛みやしびれを感じる場合
舌に痛みやしびれを感じる場合、舌痛症が要因の一つとして考えられます。
舌痛症とは、舌に痛みが生じる病気で、ピリピリとした痛みを慢性的に感じる特徴があり、原因としては細菌やウイルスの感染による炎症や、口内の潰瘍などが挙げられます。
見た目や触れた感じでは異常が見つかりにくく、舌先や側面にヒリヒリとした痛みやしびれが生じ、それが数週間から半年以上も続くことがあります。
外傷や炎症、腫れなどの明確な原因がないのに、こうした症状が現れることが特徴です。
食事や会話などに気を取られていると痛みを感じなくなるのに、何もしていない状態だと痛みを感じやすくなると言われています。
また、舌のしびれは脳や神経の病気によって引き起こされることもあります。
舌の異常の原因は多岐にわたるため、治療には細心の注意が必要です。
不調のサインを感じたら
舌の痛みにはさまざまな要因があります。
痛みの程度や原因によっては、命にかかわることも想定されるため、痛みが強かったり、長く続く場合には、医療機関に相談しましょう。
気になる症状がある場合は、歯科口腔外科などを受診して、原因を特定することが大切です。
口の病気だけでなく、病気全般においても「早期発見・早期治療」が重要です。
普段から舌の状態を観察していると、通常の状態との違いに気づくことができます。
舌の状態は健康のバロメーターであり、体の中で何らかの変化が起きているサインかもしれませんので、異常を感じたら、放置せずに医療機関を受診しましょう。
定期的に歯科健診を受けることも、早期発見に繋がるのでおすすめです。
この記事の執筆監修者
阿部 顕 先生
■経歴
日本歯科大学 生命歯学部 卒業
日本歯科大学 研修医
埼玉県の開業医にて勤務
■所属学会