編集部コラム | 【舌が痛い】舌炎の原因や予防法まとめ

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舌がヒリヒリする、ジンジンするなど、舌が痛いと思った経験をしたことは、どなたでもあるかと思います。

食事の時に誤って噛んでしまったということもあれば、口内炎のようなものができていたり、見た目には全く何もなかったりするなど、その症状は様々でしょう。

今回はこの舌の炎症について、どのような疾患があり、それぞれどう対応すべきかを説明します。

 

目次

舌炎とはどんな症状か
舌炎になってしまう原因
治療法について
舌炎にならないためにできる予防方法
症状が長引く場合は放置せずに医療機関へ

 

舌炎とはどんな症状か

 

口を覆う女性舌炎は読んで字のごとく、舌にできた炎症のことを指します。

 

その症状は様々ですが、

  • ・舌が赤く腫れる
  • ・表面がツルツルになる
  • ・熱感を持つ
  • ・刺激に対して敏感になる

といった症状があり、場合によっては日常生活を普通に送ることが困難になってしまう可能性もあります。

 

そして舌炎は、大きく2つの種類に分けることができます。

 

1つは舌の表面が萎縮してツルツルになってしまう種類で、

  • ・萎縮性力ンジダ症に伴う正中菱形舌炎
  • ・口腔乾燥症に伴う舌炎
  • ・鉄欠乏性貧血(プランマービンソン症候群など)に伴う舌炎
  • ・悪性貧血に伴うハンター舌炎

などがあります。

 

もう1つは見た目に異常が出る種類で、

  • ・白斑の形が様々に変化していく地図状舌
  • ・舌に深い溝のような模様が出る溝状舌

があります。

 

舌炎になってしまう原因

 

では、舌炎の原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
 
それぞれの種類について見ていきます。

 

(1)萎縮性力ンジダ症に伴う正中菱形舌炎

口の中にはカンジダという真菌(カビ)がいます。

普段は皆さんの持っている体力、免疫力で抑え込んでいます。

しかし体力が落ちた時には免疫力も落ちてしまうため、カンジダが活発に増えます。

また、喘息でステロイドの吸入をしている方の場合は、口の中にステロイドが残ってしまうと、このステロイドの持つ局所的な免疫抑制作用のため、口の中でカンジダが繁殖しやすくなり、舌に痛みをもたらすことになります。

 

(2)口腔乾燥症に伴う舌炎

口の乾燥には様々な原因があります。

まずは加齢によるものが挙げられますが、他にシェーグレン症候群のような自己免疫疾患もあります。

これらにより、唾液を分泌する組織(唾液腺)の機能が低下するのですが、唾液腺はホルモンバランスの影響も受けやすいため、閉経などでも唾液分泌が減っていきます。

 

また、薬の副作用として口腔乾燥が表れることもあります。

不眠で使う睡眠薬などはよく見られます。

このような理由で口が乾くと、舌の粘膜も切れたり荒れやすくなり、結果として舌炎になることがあります。

 

(3)鉄欠乏性貧血(プランマービンソン症候群など)に伴う舌炎、悪性貧血に伴うハンター舌炎

鉄分やビタミンB12の摂取する量が少ない、もしくは吸収する量が落ちると、貧血気味になります。

血液の中の微量元素が不足すると、舌や口唇に炎症を起こしやすくなることが知られています。

 

(4)地図状舌・溝状舌

舌背部に、大小糠々な白色や赤色の丸い斑点や、溝のような亀裂を生じる角化異常の舌炎です。

原因は不明ですが、ストレス,ビタミン欠乏、遺伝などの可能性が考えられています。

斑点の位置や形が、日によって変わることもあります。

この地図状舌・溝状舌そのものは痛くありませんが、斑点や溝に食べかすが溜まってしまうと、細菌感染を起こして痛みが出ます。

 

治療法について

 

舌磨きをしている女性萎縮性力ンジダ症に伴う正中菱形舌炎、地図状舌・溝状舌については、そのものが痛いわけではなく、カンジダや細菌の感染によるものですので、基本は口の中を清潔に保つことがよいでしょう。
 
歯磨き、うがいはもちろんですが、舌の表面は舌ブラシをドラッグストアで購入して綺麗にします。

必要に応じてうがい薬も使いましょう。

口腔乾燥症に伴う舌炎は、まずはこまめに水分摂取を行い、口の粘膜の保湿剤を使うことも1つです。

また、ホルモンバランスや自己免疫疾患の可能性、口腔乾燥の原因を調べる必要があります。

薬の副作用によるものであれば、変更や、減量が可能かどうかを医師に相談しましょう。

鉄欠乏性貧血(プランマービンソン症候群など)に伴う舌炎や、悪性貧血に伴うハンター舌炎は、それぞれ内科などで診察、検査を受ける必要がありますので、内科医に相談しましょう。

 

舌炎にならないためにできる予防方法

 

小松菜とニラとほうれんそう舌炎にならないようにする基本は、先ほども述べたように、口の中を清潔に保つことです。
 
歯磨き、うがいだけでなく、舌ブラシも使って、時々は舌の汚れもそっと落としましょう。

口の乾きも、原因が分かるまで時間がかかったり、はっきりしないこともあります。

 

こまめに水分摂取すること、舌あごの下をゆっくり押す唾液腺マッサージをして唾液分泌を促すこと、市販の保湿剤を使うことなどで、舌の粘膜が痛むのを軽減させましょう。

貧血気味の方は、鉄分などの栄養バランスを考えた食事をしましょう。

栄養分を摂取しても吸収されない悪性貧血のような場合もありますので、過去に貧血を指摘された方は、その原因も把握しておくと、今後の対応が考えやすいと思います。

 

症状が長引く場合は放置せずに医療機関へ

 

舌炎には色々な症状があり、見た目だけではわからない場合もよくあります。

中には、早めに医療機関を受診して治療を開始しないといけないものもあるでしょう。

ここで説明するのはあくまで参考としていただきつつ、早めの受診をお勧めします。

 

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