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歯科医院に通っていて、虫歯はないと言われているのに、なんだか歯が痛い、それに顔も痛いような気がするという不思議な症状にあったことはありませんか?
それはもしかしたら「三叉神経痛」かもしれません。
あまり聞いたことがない名前かもしれませんが、神経の位置関係によって、歯にも痛みを感じる病気なのです。
今回は三叉神経痛について解説します。
目次
-三叉神経痛とはどんな病気?
-三叉神経痛になってしまう原因の1つはストレス
-歯の痛みかどうかの見分け方は困難
-三叉神経痛と診断された場合の治療法
-ストレスをなくすことが予防につながる
三叉神経痛とはどんな病気?
三叉神経痛は、顔の一部分に電気が走るような電撃痛が数秒~数分間続きます。
この痛みが何度も繰り返し、痛みがある部分を触ると痛みが増す傾向にあります。
どんな時に痛みが発生するのかというと、洗顔や歯磨き、食事や冷たい飲み物を飲む時など、日常の動作で痛みが発生します。
痛みが出る部分が、鼻の横や下顎の奥歯の付近、目のまわり等の片側のみということが多く、歯が痛むことから、虫歯と間違って歯科医院を受診する人も多いです。
激しい痛みが一瞬出ますが、神経からくるもので傷や腫れがあるわけではなく、その他に症状はありません。
とくに40代以降の女性に多く見られる症状です。
三叉神経痛になってしまう原因の1つはストレス
三叉神経痛の原因はまだはっきりとわかってはいませんが、三叉神経という顔の感覚をつかさどる部分の付け根を、血管(動脈)が圧迫することで起こります。
三叉神経は顔の中で3本の枝に分かれており、その枝が走行している部分で痛みが起きます。
また、日常でストレスを感じると自律神経に影響を及ぼして、心身が不調になり、痛みを感じやすくなると考えられています。
歯の痛みかどうかの見分け方は困難
三叉神経痛は、上顎神経や下顎神経といった歯の周りにも痛みを生じさせるため、虫歯などの歯が原因の痛みと見分けるのが難しい病気です。
冷たいものを飲んだ時に痛む、食事の時に痛むということから、虫歯や知覚過敏と間違えられることがあります。
虫歯や歯周病など、歯や歯ぐきが原因の痛みの場合は一過性の痛みではなく、何か刺激があるたびに痛みがあり、その痛みが続きます。
そして、治療を行わない限り痛みは出現します。
三叉神経痛の場合は、電撃が走るような強い痛みが、何らかの刺激で突然現れます。
そして数秒から数分すると、一気に痛みはなくなるのです。
日常でなにか変化があったり、季節や気候によって痛みが出ることもあります。
痛みの強度や出るタイミングもまちまちです。
一度痛みを感じてから、数か月間は何もなかった、という場合もあるのです。
三叉神経痛は歯の治療を行っても基本的には治ることはありません。
歯の治療が引き金になっていたり、ストレスの原因になっている場合は歯科医院での治療も必要となりますが、三叉神経痛に対してしっかり治療を行うためには、内科や脳外科などを受診する必要があります。
三叉神経痛と診断された場合の治療法
三叉神経痛はストレスが原因の一つであるためストレスとうまく付き合っていく必要があります。
しかし、日常生活に影響を及ぼすような場合はいくつかの治療方法があります。
・投薬治療
脳神経が興奮している状態を落ち着かせるための抗てんかん薬の一つである、カルバマゼピン(テグレトール)が使われることがあります。
非常に効果が高いのですが、長く服用をしていると効果が低くなります。
またふらつきや眠気、肝機能障害などの副作用があるため、医師としっかり相談しながら服用する必要があります。
・神経ブロック
神経ブロックは、注射をすることで痛みを感じる部分の感覚を鈍らせて痛みを軽減する治療方法です。
5~30分程度で終わるため、処置時間が短く負担が軽いのですが、有効期間が短いため、効き目が切れると痛みが繰り返す場合があります。
・放射線治療(ガンマナイフ)
ガンマナイフは、痛みがある部分に放射線(γ線)を照射することで痛みを取り除く治療方法です。
高齢の方や、手術を希望されない方などに有効な治療方法です。
・外科的治療(微小血管減圧術)
三叉神経痛は、三叉神経を血管が圧迫しているために痛みが起こっているので、原因を取り除いて治療を行うためには、この圧迫を取り除く必要があり、外科手術によって神経と血管を離すことで痛みを取り除きます。
耳の裏あたりに小さく傷が残りますが、目立ちにくいです。
ストレスをなくすことが予防につながる
三叉神経痛は突然痛みが現れることが多く、予防をするのが困難な病気です。
しかしストレスから発症するとも言われているため、日ごろからストレスや疲れを溜め込まない生活を送ることが大切です。
思い当たる節がある方は、まずは規則正しい生活のリズムを作りましょう。
三食の食事をとり、十分な睡眠時間を確保して、適度な運動を行いましょう。
ストレスの発散方法は人それぞれですが、リラックスできるものや楽しくできるものが良いでしょう。
また、三叉神経痛は歯の病気と間違えられやすいという特徴があります。
定期的に歯科医院に通うことで、虫歯や歯周病の可能性を早めに取り払うことができます。
そうして三叉神経痛の診断がしやすくなることで、治療も進みやすくなれば、痛みからも早く解放されます。
他の病気の予防のためにも、ストレスは溜め込まず、歯科医院に定期的に通うことを意識してみましょう。