公開日: / 最終更新日:
顎が外れた事はありますか?
実際に外れた事はなくても、外れかけた経験があったり、顎に違和感を感じた事がある方は多くいらっしゃると思います。
顎は、大きく開けすぎた時や、または何かにぶつかった拍子に外れる事があります。
今回は、顎が外れる原因や治療法、予防法についてもお伝えしていきます。
目次
-顎が外れた時の状態
-可能性として考えられる原因
-外れた時の治療方法
-顎が外れない予防として気をつけること
-まとめ
顎が外れた時の状態
顎関節の構造
顎関節は頭蓋骨と下顎骨をつなぐ関節で、耳の穴の前に存在します。
頭蓋骨にある凹み(下顎窩)に、下顎骨についている出っ張り(下顎頭)が収まり、その間に軟骨の一種である関節円板が挟まり、顎関節を構成しています。
顎を開く時、下顎頭が関節円板と共に下顎窩から前方に滑り出し、閉じる時には後ろに動き、元の位置に戻ります。
顎が外れた時の状態
顎が外れた状態とは、顎が正常な範囲から外れてしまい、元に戻らなくなった状態の事です。
解剖学的には、下顎骨についている下顎頭が、頭蓋骨の凹み(下顎窩)から前方に外れてしまった状態を指します。
顎が外れてしまうと、口を閉じられなくなるため、喋ったり、つばを飲み込むことができなくなります。
また、顎の周囲の筋肉が緊張するため、痛みを感じる場合もあります。
可能性として考えられる原因
『口を大きく開ける』
顎が外れるきっかけとして一番多いのは、大きなあくびや、歯医者さんでの治療など、普段よりも大きく口を開ける時です。
また、長時間口を開けていると、周囲の筋肉が緊張してしまい、顎が外れやすくなってしまいます。
『外傷、打撲など』
外傷や打撲など、外からの力が顎に加わってしまうと、それをきっかけとして顎が外れる事があります。
力が強く加わった場合は、顎が外れるだけではなく、骨折も併発している可能性もあるので注意が必要です。
『噛み合わせが悪い』
噛み合わせが悪く、口を開ける時に歯が干渉して、必要以上に顎を動かす必要がある場合は、顎が外れやすくなります。
『猫背や頬杖をつくなどの生活習慣』
猫背や頬杖をつくなどの生活習慣は、顎の正常な動きの支障となるので、顎の外れる原因になります。
『関節を構成する骨の変形』
顎を構成している、頭蓋骨の凹み(関節窩)と下顎骨の出っ張り(下顎頭)になんらかの理由で変形が生じてしまうと、顎が外れる原因となります。
また、関節の間に挟まる関節円板が、年齢によってすり減っている場合も、顎の外れる原因になります。
『顎関節周辺の問題』
顎関節周囲の筋肉、靭帯、腱が弱っていたり、痛んでいる場合には、顎が外れやすくなります。
外れた時の治療方法
歯科医院で治してもらう
顎が外れた場合は、出来るだけ早く歯科医院へ行きましょう。
外れた顎を歯科医師が元に戻す手順は、以下の流れとなります。
- 前方、もしくは後方から、下顎を両手で持つ
- 患者の頭を固定して、顎の力を抜いてもらい、下顎を一度下に引っ張る
- 下顎を閉じてもらいながら、元の位置に整復する
- 必要に応じて固定
軽度であれば自分で治せるが注意が必要
顎が外れるのがくせになっている人は、自分で治せる場合もありますが、関節や周囲の筋肉を痛める可能性があるので注意が必要です。
顎関節が何度か外れるうちに、周囲の筋肉が緩み、顎が外れやすくなる場合があります。
顎が外れやすくなった方は、ちょっとしたことで顎が外れるのと同時に、外れた顎を自分で戻せるようになります。
自分で治せるから大丈夫だと思っていても、関節や周囲の筋肉が痛んでしまい、問題が起きる可能性があるので、治ったとしても歯科医院で診察を受ける方が良いでしょう。
顎が外れない予防として気をつけること
『大きく口を開けない』
顎が外れる一番の原因は、大きく口を開けることです。
日常から口を大きく開けすぎないように注意しましょう。
歯科診療や内科の診察などで、大きく口を開けないといけない時は、顎が外れないように丁寧に閉じるようにして、顎が外れそうになったら、外から手で支えるようにして閉じるようにするとよいでしょう。
『口を長時間開け続けない』
口を長時間開けていると、顎の周りの筋肉が緊張してしまい、顎が外れやすくなります。
歯科治療などで、長時間口を開けなくては行けない際には、適度に顎を閉じて、休ませてもらうようにしましょう。
治療の内容によっては閉じられない場合もありますが、歯科治療では口を開けるのをサポートする器具(バイトブロック)もありますので、聞いてみると良いでしょう。
『顎に悪影響を与える癖に気をつける』
猫背や頬杖をつくなどの行為は、顎の関節に悪影響を与える可能性があります。
また、硬いものを噛んだりして顎を使いすぎると、顎の周囲の筋肉が疲弊してしまうので注意が必要です。
普段から姿勢を整えて、無理のない範囲で、適度に顎を動かす生活を送ることが大切です。
『歯並びや噛み合わせを調整する』
歯並びや噛み合わせによって、顎関節に負担がかかっている場合には、歯並びや噛み合わせを調整する必要があります。
『顎関節症が疑われる場合は、歯科医院を受診する』
顎関節症の方は顎が外れやすくなる場合があるので、顎を動かす時に痛みがあったり、音がするなど、顎関節症の疑いがある場合には歯科医院を受診しましょう。
まとめ
顎が外れる原因や治療法、予防法についてお伝えしてきました。
基本的には、顎が外れないように、無理に動かしたりせず、口を大きく開けすぎないように気をつける事が大切です。
また、顎が外れる原因は1つではなく、さまざまな理由が考えられるため、顎に問題や不安を持つ方は、口腔外科で診察を受けた方がが良いでしょう。