
こんな経験はありませんか?
甘いものや冷たいものが歯にしみて、もしかしたら虫歯かも?と思っていたら、翌日は痛くないからまだきっと大丈夫……。
あるいは、きちんと治そうと思ったら時間もかかるし、仕事で時間がとりにくいからまた今度にしよう……。
多少痛んでも、ついつい放置しがちな虫歯。
特に歯医者が苦手な人、まだ大丈夫だと思って油断していませんか?
虫歯はお口の中だけのトラブルと考えられがちですが、場合によっては頭痛を引き起こすこともあるのです。
頭痛で悩まれている方、ひょっとしたらそれは虫歯が原因かもしれません。
虫歯と頭痛、その関係を学んでおきましょう。
虫歯が引き起こす、緊張性頭痛

緊張型頭痛は後頭部のズーンと鈍い痛みが特徴で、片頭痛と比べて症状が長い時間持続します。
痛いというよりは締め付けられて、重たい感覚。そして首筋や肩の凝りを伴います。
緊張性頭痛は脳の障害や血栓などの器質的疾患がない場合がほとんどで、主にストレスによって引き起こされます。
たとえば長時間パソコン仕事で同じ姿勢を取り続けるといった身体的ストレスや、無理な仕事が続いたり、極度な緊張を伴う場面に直面するいった精神的ストレスが緊張性頭痛の原因になるのです。
一方、虫歯が直接の原因になる場合もあります。
通常虫歯があれば、そちらを避けて食事をするために片噛みが習慣になってしまい、不自然なあごの使い方になります。
それを続けていると、あごや首の筋肉にいつも以上の負担がかかり、筋肉が硬直しやすくなります。
筋肉はお互いにバランスを取りながら体を動かしているので、一部の筋肉が固まれば隣り合う筋肉にも負担がかかり、首から肩にかけての広い範囲が凝りやすいくなります。
この凝りが後頭部を締め付け、頭痛を生じさせることがあるのです。
緊張性頭痛の場合、ストレスの元である虫歯を治療すれば頭痛も次第に治まります。
早急に歯科医院で治療を始めましょう。
また、虫歯はきっかけに過ぎず、普段の生活でストレスや首回りの緊張が蓄積していることも少なくありません。
長時間デスクワークをしていないか、小まめに休憩を取っているか、極度にストレスがかかる状況にいないかなどを今一度チェックしましょう。
適度な運動で筋肉をほぐすと予防に効果的ですよ。
顎関節症による頭痛

虫歯を治療をせず、その歯で噛まないように避けて不自然な噛み方を続けていると、噛み合わせがずれ、あごの関節の付け根に痛みを伴う顎関節症のリスクが高まります。
顎関節症は口を開けると違和感や痛みを感じる症状。
次第に痛みが増し、口を大きく開けられなくなることもあります。
こめかみや側頭部にかけて締め付けられるような頭痛を伴うことも。
顎関節症を発症してしまったら、虫歯治療と並行して、顎関節の治療を行う必要があります。
歯科ではあごの治療も受け付けています。
症状が悪化しないうちに歯医者さんへ行きましょう。
蓄膿症に伴う頭痛

虫歯が原因でいわゆる蓄膿症という鼻の炎症を引き起こすことがあります。
蓄膿症とは俗称で、正式には上顎洞炎(今回は歯との関連がある部位を取り上げます)と言います。
上顎洞は、鼻の横奥の辺りにある、鼻とつながっている空洞のことです。
上の奥歯(第二小臼歯から第二大臼歯)の根元は、この上顎洞に近接しています。
歯の成長過程で奥歯が上顎洞に飛び出すケースも多く、なんと日本人の4人に1人は奥歯の根元が上顎洞に突き出しているといわれています。
その歯に虫歯ができて根に達するほどひどくなったり、被せ物の下で虫歯がひそかに再発していると、細菌が上顎洞に菌が入り込んでしまうことがあります。
そこに膿が溜まり、圧力が高まると頭が痛くなります。
上顎洞炎は、代表的な鼻の病気ですが、歯が原因になっていること(この場合、歯性上顎洞炎といいます)も多くの症例が確認されていて、上顎洞炎のうち1割から3割に上るともいわれています。
歯性上顎洞炎では、片側だけ鼻が詰まる、その下の歯がしみる、歯槽膿漏のように歯ぐきが腫れるといった症状があげられます。
治療は虫歯の根管治療や抜歯で感染源を取り除き、溜まっている膿を吸引します。
鼻腔が閉塞している場合は手術の可能性もある恐ろしい病気です。
口は命の源

食べる、話す、感情表現…。
口は人間が生きるうえで決して欠かせない大事な機能を担っています。
当たり前すぎて見過ごしているパーツだからこそ、いざトラブルが起きたとき、その影響はいろいろな部分へ広がっていきます。
お口のトラブルは口の中だけではなく全身の疾患につながります。
古代ギリシャの名医ヒポクラテスは今から2400年も前に「口腔の慢性疾患は全身に影響する、その疾患をなくせば全身の健康が回復する」と指摘しています。
何も知らなければ、虫歯が頭痛を引き起こすなんて考えられないかもしれません。
しかし、今回ご紹介したように、実は虫歯が原因で起こる頭痛の事例がいくつかあり、場合によっては命に関わることもあるので注意が必要です。
虫歯は放置せず、気が付いたらすぐに治療しましょう。
放置すればするほど、辛い思いが自分に返ってきてしまいます。
早い段階で虫歯に気が付くためにも、小まめなセルフケアを心掛け、定期的に予防歯科を受診しましょう。
この記事の監修歯科医師

ひらかわ歯科医院
平河 貴大 院長
福岡市南区の住宅街にあるひらかわ歯科医院は、お子様から大人まで家族で通う患者が多い地域密着型の歯科医院。院長は「口元から健康を守る」をモットーに、一人ひとりに合わせた体に優しい治療を行っている。特に噛み合わせを重視し、歯並びの悩みだけでなく、噛み合わせの乱れによる不調にも対応している。
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