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歯磨きをしっかり行っているのに、歯がしみる、痛いなどのトラブルがある方も少なくありません。
虫歯でもないのに、歯にトラブルがある方は、もしかすると歯磨きの仕方が原因かもしれません。
毎日のブラッシングを一生懸命にするあまり、かえって歯や歯茎に負担をかけている可能性があります。
歯磨きは、力いっぱいゴシゴシと磨けばよい訳ではありません。
力の入れすぎや、磨く時間が長いことは「オーバーブラッシング」と呼ばれ口内トラブルになることもあります。
今回は、歯の磨きすぎの悪い例とデメリットを詳しくご紹介します。
また、歯や歯茎を守るためにも正しい歯磨きの仕方をご説明しますので、参考にしてください。
目次
-歯の磨きすぎのデメリットとよくある悪い例
-エナメル質が削られると知覚過敏に
-歯茎が下がり歯の根っこが見えてしまう
-歯が傷つくことを予防して正しい歯磨きを
-まとめ
歯の磨きすぎのデメリットとよくある悪い例
歯を磨きすぎることは「オーバーブラッシング」と呼ばれ、歯や歯茎にダメージを与えます。
歯を磨きすぎるというのは、「歯を磨く時間が長い」、「歯ブラシが硬すぎる」、「力を入れて磨いている」この3つが原因です。
また、この3つすべてを複合している方もいるためご自身の歯磨きを見直してみましょう。
①歯を磨く時間が長い
親知らずを抜いた永久歯の数は全部で28本です。
すべての歯を磨くのに要する時間は、5分程度で十分です。
しっかり磨いていると時間の長さは比例しませんので、10分も磨いているからと安心している方は注意しましょう。
もしかすると、歯や歯茎にダメージを与えている可能性があります。
②歯ブラシが硬すぎる
歯ブラシには、やわらかめ、ふつう、かためなど毛の硬さの種類があります。
歯周病が進行している方は、かためを使用するのはおすすめしません。
歯周病により弱った歯茎には負荷がかかり傷める原因になります。
ご自身にあった歯ブラシを使用しているかどうか、かかりつけの歯科医院でチェックしてもらうとよいです。
③力を入れて磨いている
歯ブラシ自体はやわらかいタイプを使用していても、力強くゴシゴシと磨いていては過度な力が歯や歯茎にかかります。
1ヶ月経たないうちに、歯ブラシの毛先が広がってしまう方は、ブラッシング圧が強いため注意しましょう。
エナメル質が削られると知覚過敏に
強い力で歯を磨きすぎると起こるトラブルの1つは、「知覚過敏」です。
知覚過敏は、歯の表面のエナメル質が削られ、内部にある象牙質が露出することで起こります。
象牙質は、痛みや冷たい刺激に対して敏感です。
象牙質が露出すると、一瞬「ズキッ」とする痛みを感じます。
また、エナメル質は、1度削れてしまうと再生することはありません。
象牙質だけになった部分はエナメル質より柔らかい層のため、磨き方を改善しない限り、より一層削れていきます。
少しでも、知覚過敏の症状がある方は、強い力で歯を磨いているかもしれないと疑ってみましょう。
歯茎が下がり歯の根っこが見えてしまう
他にも、強い力で歯を磨きすぎると起こるトラブルの1つとして「歯茎が下がる」可能性があります。
歯茎が下がると聞くと、歯周病が原因だと思われる方も多いです。
しかし、実はオーバーブラッシングが原因の可能性もあるのです。
歯茎を必要以上の力で傷つけてしまうことで、すり減り、歯茎が下がっていきます。
すると、歯の根っこ部分が露出して歯が長くなったように見えます。
本来歯茎の中に埋まっている歯の根っこ部分は、歯の質が柔らかいためオーバーブラッシングでなくても削れやすく傷つきやすいです。
歯の根っこ部分が知覚過敏を起こす、虫歯が進行することもあるため注意が必要です。
また、歯茎が下がる前兆として起こる「フェストゥーン」という歯茎がロール状に盛り上がった状態になることもあります。
下がってしまった歯茎を元の健康な状態に戻すことは不可能ですが、正しい歯磨きに改善すれば、歯茎が下がるのを食い止められます。
歯茎が下がる前兆が見られる、自覚症状がある場合はオーバーブラッシングを疑いましょう。
歯が傷つくことを予防して正しい歯磨きを
歯や歯茎を傷つけないために、3つのポイントを押さえて、正しい歯磨きの仕方に改善しましょう。
①歯ブラシの選択
歯周病が進行している方は、やわらかい歯ブラシに変更しましょう。
また、歯茎が傷ついている方は、毛先がフラットなタイプではなく、「テーパード」や「ラウンド」タイプを選択すると、歯茎への刺激が抑えられます。
少なくても1ヶ月に1回は新しい歯ブラシに変えるとよいです。
②歯を磨く順番
右上奥から左上奥まで、左下奥から右下奥までなど毎回同じ順番で歯を磨くように工夫しましょう。
磨き残しや磨きすぎる箇所が減ります。
③正しい磨き方
「スクラビング法」ペンを持つようにして歯ブラシを持ち、歯に対して直角に歯ブラシの毛先を当てて、小刻みに動かす方法です。
「バス法」歯周病が進行している方は、歯と歯茎の間に毛先が当たるようにして小刻みに動かしていくとよいです。
「フォーンズ法」上下の歯をかみ合わせた状態で、円を描くようにぐるぐると磨いていく方法です。
お子さんや高齢者など力加減が難しい方におすすめです。ご自身に合う磨き方を選びましょう。
まとめ
歯を健康に保とうとして、懸命になるあまりオーバーブラッシングになってしまえば本末転倒です。
歯の磨き過ぎは歯や歯茎へのトラブルの元となります。
知覚過敏や歯茎が下がってきたなどの自覚症状がある場合は早めに対処しましょう。
一度傷ついた歯茎や削れた歯は元には戻りません。
正しい方法で歯磨きすることで、悪化を防ぐことができます。
今回ご紹介した磨き方や歯ブラシの選択方法を参考にして、ご自身の歯磨きの仕方を見直してみて下さい。