尖ってる犬歯は削る?原因と八重歯の違い・放置リスク・治療費用

「自分だけ犬歯が尖っている気がする」「尖った犬歯が唇の内側に当たって痛い」と悩んでいませんか?

犬歯(けんし)が尖っているからと言って、必ずしも治療が必要な状態であるとは限りません。

しかし、八重歯のように飛び出している場合や噛み合わせが悪い場合は、放置すると歯周病や虫歯のリスクが高まることがあります。

本記事では、犬歯の役割と尖る原因をはじめ、様子見してよいケースと治療が必要なケースの違い、安易に削るリスクや症状に合わせた治療法・費用まで分かりやすく解説していきます。


「犬歯が尖ってる」状態は正常なケースが多い

日本歯科医師会によると、本来「犬歯は尖っている状態が正常」とされています。

※犬歯のイラストの解説
上顎右側犬歯(じょうがくうそくけんし):上顎右の犬歯
上顎左側犬歯(じょうがくさそくけんし):上顎左の犬歯
下顎右側犬歯(かがくうそくけんし):下顎右の犬歯
下顎左側犬歯(かがくさそくけんし):下顎左の犬歯

犬歯は、前歯の中央から数えて3番目の位置にあり、根元が太く先が鋭い円錐形(えんすいけい)の構造をしている歯です。「糸切り歯」とも呼ばれることがあります。
左右の上の歯と下の歯で対になっており、合計4本あります。

犬歯の主な役割は「食事の際に食べ物を噛みちぎりやすくする」ことと、「奥歯にかかる負担を減らす(減圧)」ことです。

たとえば、歯ぎしりなどで顎を左右にギリギリと動かした際、上下の犬歯同士が擦り合うことで奥歯同士のぶつかりを抑え、強い横揺れの力(水平圧)から奥歯の摩耗(まもう)や負担を軽減する仕組みになっています。

この「奥歯にかかる負担を減らす」役割は、「犬歯誘導(けんしゆうどう)」と呼ばれており、健康な口腔環境のための歯並びの維持に関係する重要なものです。

自分だけ犬歯が目立つ?|犬歯が尖ってる人と尖ってない人の違い

同じ犬歯でも、様々な要因で「より尖って見える人」と「あまり尖って見えない人」がいます。

そうした違いが生じる代表的な原因として、先天的なもの・後天的なもの(生活習慣を含む)がありますので、ご自身に当てはまるものがないかチェックしてみてください。

① 遺伝的要因(生まれつきの歯の大きさや形状)

日本矯正歯科学会によると、「歯の大きさや形状」と「顎の大きさ」のような骨格的な特徴は遺伝しやすいと言われています。

つまり、親の犬歯が大きい場合、子も犬歯が大きくなる可能性が高まります。

このように、先天的要因で「生まれつき犬歯が大きくて目立つ人」と「生まれつき犬歯があまり目立たない人」がいます。

② 年齢による変化(摩耗による丸み)

犬歯は、日々の食事や歯ぎしり・噛み締めによって徐々に削れていくため、加齢に伴い摩耗して自然と丸くなっていくことがあります。

これは後天的な理由の一つで、若い人ほど犬歯が尖って見えやすく、高齢者ほど犬歯が尖っていないように見えます。

つまり、同じ人でも、「若いころは犬歯が目立っていたが摩耗により今はそうでもない」というケースはありえます。

年齢を重ねた親の犬歯が丸みを帯びていても、まだ小さな子どもは犬歯が尖っている、といったことも考えられます。

③ 歯科治療の影響(矯正や削合)

「犬歯が尖っていない人」は、過去に矯正治療や歯を削る治療を受け、歯科医院で丸く削る処置をしたことで「尖っていた犬歯が目立たなくなった」という可能性があります。

これも後天的な理由からくる違いの一つです。

「自分だけ犬歯が尖っている」と気になる方は、状態によっては歯の先端を微調整(研磨して丸く)することができる場合もありますが、歯を削るリスクや噛み合わせへの影響もあるため、まずは歯科医師に相談して検査を受けることをおすすめします。

④ 噛み合わせの影響(犬歯誘導の機能)

犬歯には奥歯の摩耗を軽減する犬歯誘導という役割がありますが、噛み合わせに異常があると犬歯自体の摩耗が多くなり、徐々に丸みを帯びていきます。

つまり、噛み合わせに異常がなく、犬歯誘導が通常通り行われている場合は、犬歯は尖っている状態を維持しやすいのです。

そういった背景からも日本歯科医師会では「本来犬歯は尖っている状態が正常」としており、噛み合わせなどの違和感や何らかの症状がない場合は様子見が推奨されています。

しかし、生活習慣の変化(後述する歯ぎしりや食いしばりが多くなるなど)により、犬歯が摩耗しやすくなると噛み合わせの乱れが生じ、治療が必要になることがあります。

⑤ 歯ぎしり・食いしばりの影響

生まれつき「犬歯が大きく尖っている人」でも、歯ぎしりや食いしばりが多いと、犬歯誘導により犬歯が削れて丸くなります。

特に夜間の歯ぎしりや食いしばりは、無意識に行っているものでありながら強い負荷が歯にかかり犬歯が摩耗しやすくなるため、注意が必要です。

犬歯が摩耗して犬歯誘導の機能が上手く働かなくなると、奥歯など他の歯にも負担がかかり、お口全体のバランスが崩れてしまいます。

なお、「朝起きたときに顎がだるい」「犬歯が丸くなった気がする」といった症状がある方は、歯科医院を受診して「ナイトガード(就寝用マウスピース)」を作成するのも健康な口腔環境を維持するための一つの選択肢です。

犬歯と八重歯の違いとは?

「犬歯」と「八重歯(やえば)」は、混同されがちですが、端的に言うと「歯の名称」と「歯の状態」を指す言葉であり、意味合いが異なります。

「犬歯」は、前歯中央から数えて3番目に生える左右の歯そのものの名称です。(画像左)

 

 一方、「八重歯(やえば)」は、生まれつき顎が小さいなどの原因で、歯が正常に生えるスペースが不足したために他の歯と重なって生えた状態(叢生:そうせい)を指す言葉です。 (画像右)

 

なお、犬歯は他の前歯と比べて生え替わる順番が遅いため、スペース不足の影響を受けやすく「犬歯が歯列から押し出されて八重歯になっている」というケースが非常によく見られます。

これが犬歯と八重歯を混同してしまう方が多い原因の一つです。

「犬歯が尖っている」ことのメリットとデメリット

基本的に犬歯は尖っているのが正常な状態ですが、八重歯になっているなど「尖りすぎている」場合はデメリットが生じます。

【メリット(通常の犬歯)】
①食べ物を噛みちぎりやすい

②犬歯誘導により奥歯の摩耗を防ぎやすい

③日本ではチャームポイントの一つとして好意的に見られることがある

【デメリット(尖りすぎている犬歯)】
①唇や舌、頬の粘膜を傷つけることがある

②噛み合わせのバランスを崩すこともある

③海外ではネガティブなイメージを持たれることがある

犬歯が尖りすぎていると、口内を傷つけるリスクがあるほか、他の歯との高さのバランスが悪くなって噛み合わせを崩すことがあります。

たとえば、顎を動かすときに尖った犬歯だけが強く引っかかってしまう「咬合干渉(こうごうかんしょう)」や、顎の関節に負担をかけて「顎関節症(がくかんせつしょう)」を引き起こしたり、噛み合う下の犬歯を過度にすり減らしてしまったりすることがあります。

また、日本では「笑った時にちらっと見えるのが可愛らしい」と好印象を与えることもある犬歯ですが、海外では「ドラキュラのような歯」「悪魔の歯」といったネガティブなイメージを持たれる傾向があります。

ほかにも、欧米は歯並びに対する意識が高いため、歯科矯正をしていないことで「自己管理不足ではないか」といったマイナスの印象をもたれるケースもあります。

放置してもいい?|尖っている犬歯の治療を検討するケースとは

生活上の不都合をもたらすような目立った症状がなく、歯科検診でも問題なしと診断されている場合、犬歯を無理に削る必要はないと言えます。

ただし、「見た目が気になる」といった審美的な悩みにとどまらず、以下のような状態に該当する場合は歯科医院での治療検討が推奨されます。

【歯科医院の受診が推奨されるケース】

  • 犬歯が歯列から外れて八重歯となり、唇の内側に当たって口内炎を頻発している
  • 噛み合わせたときに犬歯同士が適切に触れ合わず、犬歯誘導が機能していない
  • 歯が複雑に重なり合い、前歯や奥歯の汚れが取り除けない

噛み合わせが不調のまま過ごすと、本来は犬歯が受け止める負担が奥歯などの他の歯に集中してしまい、口腔内の健康を損ねるリスクとなることがあります。

尖った犬歯(八重歯)を放置する3つのリスク

「犬歯が八重歯になっている(犬歯がかなり尖っている)」ケースでは、主に以下の3つの大きなリスクがあり、口腔内の環境悪化につながりやすいため、歯科医院での相談をおすすめします。

①奥歯の寿命を縮める・歯が割れる原因になることも

日本歯科医師会では、犬歯が正しい位置になく噛み合っていない状態(八重歯)を放置すると、過度の負担がかかって奥歯の寿命が縮んだり割れたりする原因になることがあると指摘しています。

本来、就寝中の歯ぎしりや食いしばりなどで生じる横方向の強い力は、犬歯が支えとなって分散させます。

しかし、犬歯が正しく機能していない場合、その過度な横圧が奥歯へ集中してしまい、歯の根元が破折(はせつ)したり、詰め物・被せ物が頻繁に脱落したりするトラブルを引き起こす原因になります。

② 虫歯や歯周病のリスクが高まる

歯が重なって生えた八重歯状の犬歯周辺は、日々の歯磨きによる磨き残しが発生しやすいとされています。

歯同士が密着して重なり合っている隙間には、構造上どうしても食べカスや歯垢(プラーク)が溜まりやすく、通常の歯ブラシの毛先が届きにくくなります

日本歯周病学会でも、八重歯がありセルフケアが不十分な状態が続くと、虫歯リスクが高まるだけでなく、歯茎に炎症を引き起こして歯周病に進行するリスクがあると言われています。

虫歯や歯周病は年齢に関係なく生じるので、「若いから大丈夫」「年寄りだからもうだめ」と自己判断せず、歯科医院での定期健診とケア・メインテナンスを推奨します。

③口呼吸になりやすく、全身への悪影響も

日本小児歯科学会および日本矯正歯科学会では、外側に大きく飛び出した犬歯があると唇が閉じにくくなり、「口唇閉鎖不全(こうしんへいさふぜん)」を引き起こす原因になると指摘しています。

口唇閉鎖不全になると、いわゆる出っ歯」と呼ばれる「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」や、「ガタガタの歯」を指す「叢生・乱杭歯(そうせい・らんくいば)」を引き起こすリスクが高まり、噛み合わせに乱れが生じやすくなります。

また、唇が閉じにくい状態では、無意識のうちに口呼吸が習慣化し、口腔内が乾燥することで唾液による自浄作用や抗菌作用が低下するリスクがあります。

日本歯周病学会によれば、唾液の分泌量が低下すると、口臭の原因となるほか、唾液で保護されない粘膜からウイルスや細菌が体内に侵入しやすくなり、風邪などの感染症にかかるリスクやアレルギー症状の悪化など、全身の健康面へも悪影響を及ぼす可能性があると言われています。

安易に削るのは要注意|尖っている犬歯の治療法と費用

「少しくらいだから自分で削ってしまえばいいのでは」「とりあえず歯医者で犬歯を削る作業だけ頼もう」という安易な気持ちで犬歯を削ることには、大きなリスクが伴います。

健康な歯の表面のエナメル質を過剰に削ると、歯の内部にある象牙質(ぞうげしつ)が露出して知覚過敏を引き起こしたり、歯の噛み合わせに異常が生じるためです。

口元の見た目の改善と噛み合わせ機能の保全を両立させるためには、主に以下の治療法が挙げられます。

マウスピース矯正(インビザライン等)

マウスピース矯正は、透明で目立ちにくいプラスチック製のマウスピース(アライナー)を定期的に交換し、歯列全体を段階的に望ましい位置へ動かす事を目指す治療方法です。

徐々に歯の位置を移動させるので、八重歯のように飛び出して尖っている犬歯を本来の歯列アーチ内へ自然に誘導していくのに適していると言われています。

なお、マウスピース矯正は、原則として健康保険が適用されない自費診療(自由診療)です。

【マウスピース矯正の治療概要】

項目詳細
標準的な費用相場約30万円〜100万円
(※部分矯正か全体矯正かにより変動)
治療期間の目安約6ヶ月〜2年6ヶ月
通院回数の目安約6回〜15回
(※1〜2ヶ月に1回程度)
主なリスク・副作用装着時間の不徹底による計画の遅延、装着初期の軽微な痛みや違和感、歯根吸収、歯肉退縮、治療後の後戻りリスク。

なお、数あるマウスピース矯正ブランドのうち、特に有名なものの一つが「インビザライン」です。

インビザラインを始めとするマウスピース型矯正装置は、海外で生産されたのち、患者一人ひとりのお口の形に合わせてオーダーメイドで最終形態が作られます。

そのため、装置の完成品としては国内の薬機法未承認(完成物薬機法対象外)であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる(適切な使用で不具合が生じても保証が受けられない)場合があります。

【インビザラインに関する注意事項】

項目詳細
①未承認医療機器である旨インビザラインは、薬機法上の承認を受けていない未承認医療機器です。※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置です。
②入手経路日本国内ではインビザライン・ジャパン合同会社を介して、米国アライン・テクノロジー社の製品を入手しています。
③国内承認医療機器の有無国内にもマウスピース型矯正装置として薬機法の承認を受けているものは複数存在します。
④諸外国における安全性情報1998年に米国FDAより医療機器として認証。世界100ヵ国以上で使用されており多数の治療実績があります。リスクとして歯根吸収、歯肉退縮、顎関節症状等が報告されています。
⑤医薬品副作用被害救済制度完成物薬機法対象外の装置のため、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は歯の表面にマルチブラケットと呼ばれる固定具を取り付け、そこに通したワイヤーの復元力(元の形に戻ろうとする力)を利用して、歯を移動させる治療法です。

複雑に重なり合った重度の八重歯や、骨格的な調整が必要なケースなど、幅広い症例に対して適応が可能です。

ただし、ワイヤー矯正も原則として健康保険が適用されない自由診療(自費診療)です。

【ワイヤー矯正の治療概要】

項目詳細
標準的な費用相場約60万円〜120万円(※表側矯正・裏側矯正などの手法により変動)
治療期間の目安約1年6ヶ月〜3年
通院回数の目安約18回〜36回(※月1回程度の調整が必要)
主なリスク・副作用装置装着初期の不快感や痛み、装置周辺の清掃不良による虫歯・歯周病リスクの上昇、口内炎の発症、歯根吸収

修復治療(セラミッククラウンなど)

歯の位置移動を行わず、犬歯の表面や形状の一部を整えた上で「セラミッククラウン」等の被せ物を被せたり、表面にセラミック片を接着したりして外観上の形態を整える方法です。マウスピース矯正やワイヤー矯正と比較すると、短期間で見た目の印象を変化させられる特徴があります。

審美目的(見た目の改善が目的)の修復治療も、健康保険が適用されず、治療費を全額自己負担する自由診療(自費診療)の一つです。

【修復治療(セラッミッククラウン)の治療概要】

項目詳細
標準的な費用相場約10万円〜20万円/1本あたり
治療期間の目安約2週間〜2ヶ月
通院回数の目安約2回〜5回
主なリスク・副作用被せ物を装着するために健全な自身の歯を削る必要がある点、神経(歯髄)の処置が必要になる可能性、セラミックの破折や脱落、歯茎の下がりによる境界線の目立ち。

なお、健全な天然歯を大幅に削る処置は、歯の寿命そのものを縮める可能性があるため、治療にあたっては主治医との慎重な相談が必要です。

尖ってる犬歯はマイクロスコープを用いた精密な治療を

犬歯は噛み合わせに深く関係する歯の一つであるため、治療時には0.1ミリ単位での精密な診断と処置が求められます。

たとえば、歯を削る「削合(さくごう)」、詰め物や被せ物を行う「補綴治療(ほてつちりょう)」、歯科矯正に伴う「咬合調整(こうごうちょうせい)」などを行うには、マイクロスコープ(Dental Microscope:歯科用顕微鏡)が有効な選択肢の一つです。

マイクロスコープは肉眼のおよそ20倍ほど視野を拡大可能であり、犬歯を治療する際に懸念される「健康な歯の削りすぎ」や「噛み合わせのわずかなズレ」の見落としを防ぐことに貢献します。

マイクロスコープを用いた精密治療のメリット

犬歯は一度削ってしまうと自然には元に戻らないため、マイクロスコープを導入している歯科医院で精密な処置を受けることをおすすめします。

【できる限り歯を削らないことに貢献する】
肉眼では確認が困難な歯の微小な境界線を拡大視野で捉えることにより、歯を削りすぎるリスクを抑制できます。

【0.1ミリ単位の精密な噛み合わせ調整に貢献する】
犬歯を削る際、犬歯誘導が機能する理想的な傾斜や接触点を、0.1ミリ単位の精度で調整することに役立ちます。

【補綴物の適合性を高めることに貢献する】

歯を削るのと同様、被せ物や詰め物も0.1ミリ単位での精密な治療が求められるため、マイクロスコープの拡大視野で処置により、歯との境目の適合性を可能な限り高めて精密な装着を目指すことが期待できます。

【微細な構造の把握に貢献する】
拡大視野により、見落としがちな歯の表面に生じた極小のひび割れ(マイクロクラック)や初期の虫歯を見つけやすくなり、早期発見と早期治療が期待できます。

尖っている犬歯に関するよくある質問と回答(Q&A)

尖っている犬歯や八重歯に関する質問と回答を記載しますので、歯科医院の受診の際に参考にしてください。

Q1. 八重歯になった犬歯は抜歯したほうがいいですか?

A1. 原則として、八重歯であっても犬歯自体を抜歯することはほとんどありません。

犬歯は、犬歯誘導という噛み合わせの際に奥歯の負担を逃がす役割があるためです。

また、犬歯は他の歯よりも根が長く、強固な構造を持っています。

日本矯正歯科学会によると、矯正治療で歯を動かすためのスペースが必要な場合は、犬歯ではなくその隣に位置する「小臼歯(しょうきゅうし)」を対象として抜歯を検討するのが一般的です。

Q2. 尖っている犬歯を少しだけ削って平らにすることは可能ですか?

A2. 犬歯の表面のエナメル質を0.1ミリ単位で整える「形態修正(けいたいしゅうせい)」の範囲内であり、かつ犬歯誘導の機能に支障を与えないと診断された場合は、少しだけ削って丸みを持たせることが可能なケースもあります。

ただし、自己判断でやすり等を用いて削るような行為は、エナメル質の損壊や感染症の原因となるため絶対に避けてください。

必ず歯科医師による精密な噛み合わせ検査を受ける必要があります。

Q3. 大人になってからでも犬歯の矯正は間に合いますか?

A3. はい。子どもだけでなく大人も、犬歯や歯並びの矯正治療を開始することは可能です。

歯を支える骨(歯槽骨:しそうこつ)と歯周組織が健康な状態であれば、年齢に関わらず歯を適切な方向へと導くことが期待できます。
日本矯正歯科学会によると、近年では成人後にマウスピース矯正や目立ちにくいワイヤー矯正を選択し、口元の印象と噛み合わせを改善される方が増えています。

まとめ

「犬歯が尖っている」のは、本来の歯の機能としては正常であり、適切な噛み合わせが維持されていれば今すぐに削る必要はないとされています。

しかし、犬歯が歯列からはみ出して八重歯であったり、噛み合わせに違和感があったりする場合は、放置することで奥歯への負担増加や虫歯・歯周病リスクの上昇といった悪影響を及ぼすリスクがあります。

ご自身の歯をできる限り長く使い続け、口腔や全身の健康を保つには、自己判断で安易に尖っている犬歯を削ることなく、マイクロスコープなどの精密治療に貢献する設備を導入している歯科医院へ一度相談されることをおすすめします。


出典・参考資料

※本記事は一般的な情報の提供を目的としており、特定の治療法を推奨するものではありません。実際の治療にあたっては、必ず歯科医師にご相談ください。