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歯の痛みというと、虫歯を連想する方も多いはずです。
しかし、中にはストレスが原因の痛みもあります。
歯の痛みが長く続く場合や、歯科医院で診察をしても原因が分からない場合は、ストレスが原因の可能性があります。
今回は、ストレスで歯が痛くなる否定形歯痛と治療法についてご紹介します。
目次
-精神的ストレスで歯が痛くなる非定型歯痛
-非定型歯痛が起こってしまう仕組み
-ストレスが影響していると思われる歯痛の症状
-ストレスが原因で歯が痛い場合の治療法
-まとめ
精神的ストレスで歯が痛くなる非定型歯痛
虫歯でもないのに、歯の痛みを繰り返している方も少なくありません。
歯が痛いからと歯科医院を受診してレントゲンを撮っても歯にはなんの異常も見られず、原因が分からないままで悩む方も多いのではないでしょうか。
もしかすると、精神的ストレスによる歯の痛みかもしれません。
このような歯の痛みを「非定型歯痛」と呼びます。
歯が痛い原因が分からないと余計に不安やストレスを溜めて悪循環になることもあります。
早めの対処や治療によって改善できるので、放置しておかずに原因を考えてみましょう。
非定型歯痛が起こってしまう仕組み
ストレスが高まると、免疫力の低下や歯ぎしり、唾液分泌量の低下が引き起こされます。
それにより、歯の痛みが発生してしまうのです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①免疫力低下
ストレスが高まると、カテコールアミンというホルモンが血液中で増大します。
すると、歯や歯周組織に流れている血管が充血して歯が痛いと感じるのです。
寝不足や疲れにより、目の疲れや頭痛を引き起こす方がいるように、歯の痛みを感じる方もいます。
ストレスが溜まったときに、歯に痛みを感じたり歯茎が急に腫れたのに、いつのまにか治っていた、という場合もあります。
また、普段から歯周病などにより歯茎が腫れやすい方は症状が強くでる可能性もあります。
②歯ぎしりや食いしばり
ストレスがかかると、無意識のうちに歯を食いしばったり、就寝中に歯ぎしりをしていることがあります。
一時的でも歯に大きな力が加わると、歯の周囲のクッションの役割をしている歯根膜にダメージを与え炎症を起こします。
また、歯ぎしりや食いしばりにより、歯が削れたり歯茎が下がる可能性が高くなり、知覚過敏や歯の痛みを発生させてしまいます。
③唾液分泌量の低下
ストレスを感じていると交感神経が優位になり、唾液は粘り気のある質に変わり、唾液の量も減ります。
このような状態が長く続くと、お口の中のpHが下がり虫歯ができやすい環境になります。
また、唾液には抗菌作用や自浄作用、湿潤作用などお口の中を清潔に保つ役割があります。
唾液が少ないとなると、虫歯だけでなく歯周病のリスクも高めてしまい、結果的に歯の痛みを発生させます。
ストレスが影響していると思われる歯痛の症状
ストレスが原因で歯の痛みを発生させている場合の痛みの症状7つを詳しくみていきましょう。
①歯が浮いたような感じ
嚙み合ったときや何もしていなくても歯が浮いたような感じがする、歯がかゆいなど違和感がでてきます。
②歯茎が腫れている
歯茎が急に腫れてきます。
免疫力が低下しているため、歯周病が進行しやすくなります。
歯茎から出血や膿がでている場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
③歯と歯茎の両方がずっと痛む
痛みの原因が分からないまま長い時間経つと、何もしていなくても一日中痛みがでてきます。
原因不明なことで、さらにストレスが溜まる悪循環に陥っている可能性があります。
④朝より夕方の方が痛む
就寝後やお風呂に入った時などリラックスした状態であれば痛みはないのに、時間が経つにつれて痛みが増してくる痛み方をします。
特に、夕方に痛みのピークを迎える方が多いです。
⑤痛み止めが効かない
ストレスが原因である痛みは、原因が無くならない限り、痛みも無くなりません。
もちろん、薬の効果は低いです。
⑥歯科医院で原因が分からなかった
視診やレントゲン撮影をしても原因は分かりません。
そればかりか、原因が分からないことへのストレスでさらに痛みが強くなります。
⑦虫歯の治療後が痛む
治療を終えて完治しているのにも関わらず、歯が痛くなります。
虫歯の時の痛みを覚えているため、治療後の痛みの方がより強く感じます。
ストレスが原因で歯が痛い場合の治療法
①心療内科を受診する
ストレスが原因の場合の治療法はストレスを無くすか、抗うつ薬を服用することです。
歯科医院では、抗うつ薬を処方することができないため、心療内科を受診しましょう。
否定形歯痛のある方が抗うつ薬を服用することで、約8割は改善がみられると言われています。
ただし、抗うつ薬は口が渇く副作用があるため、歯科医院も受診している場合は申し出をしましょう。
②ストレス解消
痛みを無くすためには、原因となっているストレスを取り除くことが一番です。
睡眠やお風呂の時間などリラックスできる時間をしっかりとることで、副交感神経が優位になりストレスや不安を和らげます。
③歯科医院でメインテナンス
ストレスにより免疫力が下がるため、虫歯や歯周病を引き起こしやすくなります。
定期健診でクリーニングして口内を清潔に保ちましょう。
また、歯茎の腫れや歯の揺れがある場合は早めに受診することをおすすめします。
④ガムを噛む
ストレスにより交感神経が優位になり唾液分泌量が減ります。
すぐにストレスを取り除くことが難しい場合は、ガムを噛み、唾液腺を刺激して唾液を出すように心掛けましょう。
また、ガムを噛むことでもリラックス効果を得られます。
まとめ
歯の痛みを感じても、原因が分からない時はストレスの可能性も考えられます。
さらに痛みがひどくなっていくなどの悪循環に陥ってしまう前に、早めに歯科医院や心療内科に相談しましょう。
ストレスを感じている時は、自分では気が付かないものです。
自分の生活を振り返り、生活習慣の乱れやストレスを抱えていないかなどゆっくり考える必要があるかもしれません。
自分自身で抱え込まずに、家族や友人に相談や悩みを打ち明けることも大切です。