編集部コラム | 銀歯を白くしたいのなら被せ物の変更を

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虫歯の治療で、保険適用だからと銀歯での治療を選択した経験はありませんか?

しかし、本来白かったはずの場所が銀色になると目立ってしまい、コンプレックスになることもあります。

せっかくファッションやネイルなどでお洒落をしても、自信を持って笑顔になれない…などの後悔が付きまとうかもしれません。

そんな理由から、一度は費用的な面やお手軽さから銀歯を選んだけれども、後になって白い歯を希望する方もいらっしゃいます。

白い歯に変えることは、見た目だけでなく精神的にもメリットがあります。

今回は、銀歯を白くする方法を詳しく説明していきます。

 

目次

銀歯を白い歯に変えることはできる
白い被せ物に変えるメリット
銀歯から変える時のデメリット
銀歯を白い歯に変える治療
まとめ

 

銀歯を白い歯に変えることはできる

 

銀歯の写真銀歯を白い歯にすることは可能です。
 
銀歯自体を白くする訳ではなく、被せ物や詰めものを変更することで白くできます。

①詰めもの

ご自身の白い歯の中に、一部だけ金属の詰めものがしてある場合は、保険適用でも白い詰め物に変更することが可能です。

ただし、金属の詰めものがしてある形状にもよります。

範囲が広く、歯の側面にまで詰めものがある場合は保険適用外になりますので注意しましょう。

また、自由診療でも白い詰めものに変更できます。

高額にはなりますが、丈夫で自然な白さを手に入れられます。

 

②被せ物

銀歯が歯全体を覆っているような被せ物の場合は、白い被せ物へ作り変えましょう。

前歯の中心から数えて3、4、5番目の左右の歯は、保険適用で白い歯にすることも可能です。

また左右の7番目の歯までしっかり噛み合っている、というケースは6番目の歯も白い歯にすることができます。

 

白い被せ物に変えるメリット

 

①虫歯になりにくい

保険適用で用いる銀歯は、長期間使用していると劣化して錆びることがあります。

金属なので、温度の変化により膨張や収縮を繰り返し、貼り付けるために使用したセメントがもろくなってしまうのです。

もろくなると、歯と銀歯の間に隙間ができるため、そこから虫歯に感染してしまいます。

一度歯を削って詰めものや被せ物をしている歯のため、歯質がすでに通常より少なく、虫歯もあっという間に歯の根っこの方まで進んでいきます。

一方、白い被せ物はセラミックなどの素材を使用するため、表面がツルツルしていて歯垢などが付着しにくく、温度変化も少ないので、再度虫歯になるリスクは低いと言えます。

 

②コンプレックス解消

見た目が美しくなるため、今まで大きな口を開けて会話したり、笑顔を見せるのが苦手だった方でも自信が持てるようになります。

金属がところどころ見えているよりも、清潔な見た目で第一印象も良くなるでしょう。

見た目が変わるだけで、明るく前向きな性格になる方もいます。

 

③金属アレルギーの心配が減る

白い被せ物は金属を使用していないので金属アレルギーになることはありません。

銀歯の場合は、劣化すると銀イオンになり、溶け出してしまうと徐々に身体に蓄積されていきます。

今まで問題がなかった方でも、ある日突然、手や身体が赤く痒いといった症状が出てしまうこともあります。

 

④長持ちする

セラミック素材などの白い被せ物は、銀歯よりも長く使用できることが多いです。

銀歯を何度も替える手間や時間を考えると、費用はかかっても、白い被せ物の方が患者さんのご負担にならないかもしれません。

 

銀歯から変える時のデメリット

 

①費用が高い

白い歯に変えるには、保険適用内でも可能ですが、銀歯に比べると費用が高くなります。

自由診療で取り扱っているセラミックの歯であれば、1本10万円以上になることもあり高額です。

歯科医院によって取り扱いのある種類や料金は異なりますので、よく相談しましょう。

 

②銀歯に比べて割れやすい

銀歯は、歯ぎしりや食いしばりをしても、伸びる性質があるため割れにくいメリットがあります。

一方、白い被せ物は硬いのですが、強い衝撃に弱い性質があります。

 

③歯を削る量が多い

銀歯から白い被せ物に替える場合は、健康な歯質をさらに削らないといけません。

理由は、金属に比べて割れやすいため、厚みを持たせて強度を増す必要があるからです。

歯を多く削ることになり、神経の近くまで削る必要がある場合は、治療中に痛みが出ることもあります。

その場合は、神経が虫歯に感染していなくても、神経を取り除く根管治療をしなくてはなりません。

ただし、神経を取ってしまうと、歯自体が枯れ木のようにもろくなるといったデメリットも挙げられます。

 

銀歯を白い歯に変える治療

 

・保険適用の被せ物

①前装冠

内側は金属で、表側にプラスチックレジンを貼り付けた被せ物です。

数年たつと色が変化してきます。

 

②ジャケット冠

すべてプラスチック素材でできています。

前から数えて5番目の歯までが適応範囲と限られています。

 

③ハイブリッドセラミックレジン冠

レジンとセラミックを混ぜてあるため、強度が高いのが特徴です。

4、5、6番目の歯が保険適用です。

※6番目の場合は、両側の7番目まで歯が咬んでいる必要があります。

 

・自由診療の被せ物

①オールセラミッククラウン

セラミック単体で作られた被せ物です。

審美性に優れていますが、強い衝撃には弱いです。

 

②メタルボンド

金属の上にセラミックを貼り付けた被せ物です。

強度と審美性に優れていますが、金属アレルギーになる可能性があります。

 

③ジルコニアクラウン

ジルコニア単体でつくられた被せ物です。

強度に優れており、変色もしにくいですが、天然歯のような透明度についてはセラミックに劣ります。

 

・保険適用の詰めもの

①コンポジットレジン

プラスチック素材で、小さな虫歯に適しています。

吸水性があるので着色しやすく、経年劣化しやすいです。

 

・自由診療の詰め物

①ダイレクトボンディング

プラスチック素材ですが、幅広い色を使用できるため、天然歯の色に限りなく近づけられます。

 

②セラミックインレー

セラミックを使用しており、硬度もありつつ、噛み合わせに合わせてすり減ってくれるため、自然な噛み心地になります。

 

③ハイブリッドセラミックインレー

セラミックにレジンが混ぜられた素材のため、安価で衝撃にも強いです。

 

まとめ

 

銀歯を白い歯にすることは可能です。

しかし、白い被せ物の種類は多く、適用範囲もそれぞれで決まっています。

また、銀歯に比べると白い被せ物は割れやすく、強度が低いものもあります。

銀歯は見た目は悪いですがメリットもあるので、歯科医院でご自身に合う手段を相談してみるのがよいかもしれません。

 

この記事の執筆監修者

 
阿部 顕阿部 顕 先生

■経歴

日本歯科大学 生命歯学部 卒業

日本歯科大学 研修医

埼玉県の開業医にて勤務

■所属学会

日本歯周病学会

日本歯内療法学会

日本顎咬合学会

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