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いつもはピンク色の歯茎が白くなっている、特に痛みはないけど歯科医院に行ったほうがよいのか。
歯茎が白くなっている原因としては、一時的な口内炎から、将来的に口腔癌に変化する可能性のある白板症まで様々です。
どのように見分ければよいのか、それぞれの見た目の特徴や、どんな場合であれば歯科医院へ行ったほうがよいのか、また日頃から出来る予防法についてもお伝えして行きます。
目次
-歯茎の一部が白い場合
-歯茎全体が白い場合
-意識してほしい日頃の予防ケア
-まとめ
歯茎の一部が白い場合
健康的なピンク色ではなく、歯茎の一部が白くなっている場合に考えられるのは次のような疾患です。
【口内炎】
歯茎の一部が白くなり、中心が少しくぼんでいるような見た目、食事などの刺激で痛む場合は口内炎です。
原因は、口腔内の細菌やストレス、ビタミン不足など様々です。
口内炎は、特に治療しなくても、通常一週間ほどで自然に治ります。
歯科医院では、アフタゾロンなどの塗り薬を処方したり、レーザーで表面を処理することで治癒を促進することも可能です。口内炎がストレスになるようでしたら歯科医院を受診した方が良いでしょう。
若い方は、粘膜の修復サイクルが早いので口内炎も治りやすい傾向にあります。
【白板症】
口の中の粘膜や歯茎の一部などが白くなり、痛みはないが触っても取れない場合は、白板症の疑いがあります。
原因は、歯茎が慢性的に傷つけられていることで、不適切な銀歯や入れ歯などが粘膜を傷つけていると起こりやすいです。
急ぎの処置の必要がないことが多いですが、一定の確率で口腔癌に変化するので歯科医院で経過を見ていく必要があります。
白くなった部分が大きくなったり、出血を伴う場合は、口腔外科を受診し、専門医により細胞診などを行っていく必要があります。
【フィステル】
最近では、サイナストラクと言い方が変わり、日本語では瘻孔(ろうこう)と言います。
よくみられるのは、歯の根の先端あたりの歯茎に、ニキビのようなプクッとした膨らみとともに白や黄色みがかったような変色した状態です。
この原因は、歯の根の先端で細菌感染を起こしたことにあります。そして、そこに溜まった膿が外側へ出てきている状態ですので、痛みはなくても治療の必要があります。
歯科医院でレントゲン診査を行い、該当する歯の神経の治療を行いましょう。
そのままにしておくと歯が痛み出す可能性があります。
【口腔カンジダ症】
カンジダ菌が繁殖して粘膜上に白い塊を作り出す病気です。
カンジダ菌自体は常に体内に存在しているので、基本的に害はありません。体調不良やストレスなどで抵抗力が低くなると発症することがあります。
治療をする必要はなく、自然に治癒することが多いですが、症状が続く場合は、やはり歯科医院を受診し、改善のための薬を処方してもらいましょう。
【ウイルス感染症】
手足口病やヘルパンギーナ等、一部のウイルス感染症は口腔内に、プツプツとした水疱が出来ることがあります。
上記には特効薬がなく、感染症からの回復とともに自然に消滅します。そのため、歯科医院でも特に処置することがない場合が多いです。
歯茎全体が白い場合
歯茎の一部ではなく、全体が白い場合はどのような病気があるのか見ていきましょう。
【貧血】
血液内の鉄分が少なくなる鉄欠乏性貧血、血液成分自体が作られなくなる再生不良貧血、血液内の細胞が変質してしまう巨赤芽球性貧血などほとんどの貧血で、口全体の粘膜が白っぽくなる症状が見られます。
貧血の場合は、口の中の症状だけでなく、動機や息切れなどの症状があるので自覚しやすいかと思います。
この場合、貧血の種類を特定し、専門機関での治療が必要です。
【低栄養】
全身の栄養が不足していると、歯茎の粘膜の再生が遅れ全体的に白っぽくなります。口の粘膜は身体の中でも体調の変化に影響されやすいので、注意して見る必要があります。
全身的な原因で低栄養に陥っている場合は、もともとの病気の治療を、単に栄養不足の場合は栄養を取って体力を回復させることで改善します。
意識してほしい日頃の予防ケア
症状が出てからではなく、普段から病気にならないようにすることが大切です。
歯茎の健康を保つために、日頃から気をつけてほしいことについてお伝えしていきます。
【正しいブラッシングで歯茎の健康を保つ】
口腔内の細菌が多く不衛生だと口内炎になりやすいので、口の中を清潔に保つようにしましょう。また歯周病の予防のためにも、引き締まった健康な歯茎のためにも正しいブラッシングは必要です。
歯ブラシだけで磨けない歯と歯の間は、歯間ブラシやフロスなどで汚れをかき出すようにしましょう。
歯科医院で、正しい歯ブラシの選び方や磨き方の指導を受けられるので一度聞いてみるのも良いですね。
汚れをとったあとに歯や歯茎に異変がないか自分で確認すると、早期発見が出来るのでおすすめです。
【歯科医院での定期検診】
歯茎を含め、口の中に問題がないか、やはり専門家に診てもらう事は大切です。
不適切な銀歯や入れ歯があると、粘膜が刺激されて問題が起きることがあります。例えば、尖っているところなどを磨いて貰ったり、場合によっては作り変えたりするのも有効な手段です。
痛みがなくても気になっていることがあるのなら直接聞いてみるのも良いですね。
問題が起きてから行くのではなく、口腔内を清潔に保つためにも定期的な歯石の除去やレントゲン診査をしてもらうことがお口の健康につながります。
まとめ
いかがだったでしょうか、歯茎が白くなっている場合についてお伝えしてきました。
口内炎のように様子を見ているうちに落ち着けばよいのですが、繰り返し白くなったり、色が変化しない場合は、早めに歯科医院へ行くことをおすすめします。
また、日頃から丁寧に口腔ケアをすることで、歯周病などの他の病気も防げます。歯科医院での定期検診も有効ですので積極的に受けるようにしましょう。
この記事の執筆監修者
平河 貴大 先生 (ひらかわ歯科医院 院長)
■経歴
九州大学 農学部 卒業
九州大学 歯学部 卒業
九州大学病院にて研修後、ウェルカムデンタルクリニックにて研鑽
■所属学会